北京、電話ボックスほどの「無人図書館」が登場 空き時間に読書

人民網日本語版    2018年4月14日(土) 7時40分

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北京のショッピングモール・東方新天地の地下一階のあまり目立たない場所には無人図書館「一書」があり、セルフポップコーン、ココナッツジューサー、フルーツジューサーがその近くに並んでいる。

北京のショッピングモール・東方新天地の地下一階のあまり目立たない場所には無人図書館「一書」があり、セルフポップコーン、ココナッツジューサー、フルーツジューサーがその近くに並んでいる。そこからは温かみある光が漏れ出ており、その落ち着いた静かな雰囲気は、夜に読書を静かに楽しむ情景を連想させる。北京日報が報じた。

図書館といっても、高さ2.4メートル、横幅1メートル、縦幅0.6メートル、敷地面積0.6平方メートルと、電話ボックスほどの大きさだ。3段式になっており、1段ごとに3-4冊、計10冊の本が並べられている。真ん中には返却口があり、下のスクリーンには本に関する情報が流れている。

借りるのに必要な時間は10秒

微信(WeChat)アプリを使ってQRコードをスキャンし、携帯番号と確認コードを入力すると、本を借りるためのページが表示される。そこには、「浮生六記」、「時光会把最好的留在最後」、「雅舎小品」、「中国伝統動画美絵本」など、実際に陳列されている本よりも2冊多い12冊が表示されていた。各本をクリックすると、詳しい紹介やその本を推薦している有名人のメッセージを見ることができる点は注目に値する。

筆者は、最新版の「浮生六記」を借りることにした。定価は45元(約765円)で、デポジットとして30.6元(約520円)を払わなければならない。価格は京東やアマゾン、当当網などとほぼ同じだ。支払いを済ませると、「ポン」という音とともに、右側にある18個の受け取り口の1つが開き、本を受け取ることができた。その全ての過程にかかった時間はわずか10秒だ。本には返却の際に識別するためのRFIDタグが付いていた。

微信には、「貸出期間は21日で、貸出は無料」と表示されていた。また、どの「一書」のボックスに返却してもいいという。本を返却すると、デポジットも返ってくる。1日に借りることができる本は一人につき3冊まで、1カ月に10冊までだ。期限内に返却しなかった場合、その本を「購入した」とみなされる。

「一書」は現在、東方新天地、勁松第四小学校、中関村ビル、豊科万達、陽光100、珠江帝景、超級蜂巣など、約10カ所に設置されており、7-14日ごとに並べられる図書が一新される。普通の図書館と異なり、それらの図書はいずれも発売されたばかりの人気作品だ。

空いた時間を利用して読書

北京一書科技の李海洋・最高経営責任者(CEO)率いるチームの起業プロジェクトである「一書」は昨年10月11日に第1号店が設置され、これまでに2000人が利用した。利用者で最も多いのは18-50歳の人で、最年少は8-9歳の小学生だ。李氏にとって予想外だったのは、子供たちが読書に大きな関心を抱いていることで、勁松第四小学校では、全ての図書が1日で全て貸し出された。また、アパートやビルなどに設置されている「一書」には、毎日のように夜中に本を借りに来る人がいるという。

李氏は、「中国の成人の年間読書量は、日本や韓国、欧米よりはるかに少なく、5冊以下。韓国はその2倍、日本は4倍、米国は6倍だ。中国は伝統文化大国で、世界一の出版大国でもあるにもかかわらず、国民の読書量はそれらの先進国とは大きな開きがある。実際には、多くの人は読者が嫌いなのではなく、24時間読書関連のサービスを提供するインフラが不足しているほか、優秀な図書作品を専門に提供するオフラインのプラットフォームが不足している」と分析する。

劉さんは半月前に、環状線の五環路外のエリアに位置する団地・超級蜂巣に「一書」があるのを見つけたといい、「とてもおもしろいので、利用してみようと思った。オンラインなら実際に手に取って見ることはできず、買った後に『騙された』と感じることもある。でも、『一書』なら、借りてみておもしろくなければ返却すればよく、損することはない。駅や空港、銀行、地下鉄にもあればもっといいと思う。そうすれば、好きな時に借りて空いた時間に読書をし、好きな時に返却できる」と話す。(編集KN)

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