岩波書店の広辞苑第7版、「国語辞典の差、日韓の知力差」と韓国紙、「文化水準を決定」とも

Record China    2018年4月15日(日) 14時20分

拡大

岩波書店が今年1月に販売を開始した「広辞苑」第7版を韓国紙が取り上げている。韓国ではネットに押され、紙の国語辞典は消滅。記事は「国語辞典の差が韓日の知力差をもたらす」と嘆いている。資料写真。

2018年4月14日、岩波書店が今年1月に販売を開始した「広辞苑」第7版を韓国紙が取り上げている。韓国ではネットに押され、紙の国語辞典は姿を消した。記事は「言葉を扱い表現することが文化の水準を決定する」とした上、「国語辞典の差が韓日の知力差をもたらす」と嘆いている。

広辞苑の記事を掲載したのは、主要紙の朝鮮日報。「1991年11月、日本メディアは18歳の女優、宮沢りえの衝撃的なヌード写真集『サンタフェ』と広辞苑第4版がミリオンセラー競争を展開していることを報じたが、結果は広辞苑の完勝だった。220万部を売り上げ、サンタフェ(150万部)を余裕で上回った」と紹介した。

国語辞典の改訂版については「すべての思考の出発点である言葉を時代の変化に合わせて再定義することだ」と、その意義を強調。「第7版には25万語が収録されている。改訂には6年をかけ、10人余りの担当チームと外部の専門家220人が加わった。彼らは2008年6月の前回改正以降に収集された10万語の候補から1万語を選んで新たに収録した。新たに採用された単語はクールビズ、レジェンド、婚活、殺処分、ゲリラ豪雨、ディープラーニング、東日本大震災、安全神話などだ」と伝えている。

さらに「広辞苑は10年ごとに同じ作業を進めてきた。市民にも門戸を開いた。初期には日本初のノーベル物理学賞受賞者である湯川秀樹のような人物も解釈に参加した」と言及。「辞典に完璧はない。しかし、完璧に向かった改善の努力をやめないことが重要だ。日本にはそうした国語辞典が複数ある。個性もはっきりしている。言葉を扱い表現することが文化の水準を決定するとすれば、これは大きな力になる」と称賛している。

販売目標に関しては「インターネットであらゆる辞典が見られる時代を迎え、広辞苑も1998年の第5版が100万部、2008年の第6版が50万部と販売が落ち込んだ。第7版は6月までに20万部に設定している」と報道。しかし、同時に「インターネット時代に紙の辞典に1万5000円も払う人が20万人もいるということはむしろ驚くべきだ」としている。広辞苑はソウル光化門の教保文庫でも15部が売れたという。

これに対し、韓国では国語辞典という市場自体が消滅した。記事によると、人々がポータルサイトを利用するからで、出版社の辞典チームは解体され、改訂競争で辞典の質を高める機会も失われた。国民の税金で設立した国立国語院の標準国語大辞典は1999年の初版発行以降、一度も改訂版を出していない。オンラインでも本格的な改訂はなされていない。

朝鮮日報は「載せるべきものと載せなくてもよいものを区別できず。単語の最も正確な意味も盛り込まれていないという批判が根強い」と指摘。「国語辞典の差が韓国と日本の知力の差をもたらすと思うと恐ろしい」と結んでいる。(編集/日向)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携