中国でも勤務医の苛酷な勤務実態=午前に100人を診察、午後に手術4回した直後に意識不明に

Record China    2018年4月6日(金) 9時20分

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中国メディアの封面新聞は3日、四川省内の病院に勤務する医師が4回目の手術を終えた直後に意識を失って倒れたと伝えた。中国では医師の過労死などがしばしば伝えられている。資料写真。

中国メディアの封面新聞は3日、四川省都江堰市の第二人民医院(病院)に勤務する廖暁波(リャオ・シャオボー)医師が3月30日、同日4回目の手術を終えた直後に意識を失って倒れたと伝えた。十二指腸から大量に出血したためだった。過労が原因の可能性が高い。日本でも勤務医の苛酷な勤務実態が問題になっているが、中国でも医師の過労死などがしばしば発生している。

廖医師は51歳の眼科医だ。同病院眼科の「花形医師」という。年間で延べ2万人以上を診察し、300回以上の手術を行うこともある。3月30日も午前中に約100人を診察し、午後には4回の白内障手術を連続して執刀した。

廖医師は簡単な昼食を取る際に同僚の医師に、「腹の具合が妙だ」と話したという。同僚は「明日は土曜日なので、内視鏡検査を受けては」と勧めたが、廖医師は翌日も勤務があると答えていたという。

廖医師が4回目の手術を終えたのは午後4時半ごろだった。手術に加わった医療スタッフはいずれも安堵(あんど)の息をついたが、廖医師はうめき声を漏らして倒れた。意識を失っていた。

検査したところ、廖医師は十二指腸潰瘍から1000ミリリットルに及ぶ大出血をしていたと分かった。命の危険もある重篤な状態だった。廖医師は緊急処置を受け、同病院の消化科に入院することになった。

同記事は、廖医師の意識を取り戻してからの第一声が「患者に問題はありませんでしたか?」だったこと、3月30日に手術を受けて視力を取り戻した今年80歳になる患者が4月3日には感謝の意を伝えるために入院中の廖医師を見舞った際、廖医師は開口一番に相手に対して目の具合を尋ねるなど「一瞬にして医師としての振る舞いに戻った」など、廖医師の勤務に対する熱心さを美談として紹介した。

しかし中国ではこのところ、医師の過労死などが多発している。個別の医師の熱心さを評価するのは当然としても、それだけでは済まされない状況だ。

2月には安徽省六安市裕安区政府内の共産党支部が、2017年12月に勤務先の仮眠室で死亡して過労死と認定された当時31歳の医師を称賛し、「学ぶ活動」を展開すると発表したことに多くの批判が出た。

同件を紹介した解放日報によると、2017年には医師の過労死が少なくとも31件発生した。今年になっても医師の過労死は続いており、1月8日には青海大学附属医院救急科の医師が勤務中に発病し、4時間後に死亡した。同医師は18時間連続で勤務し、患者38人を診察・治療していたという。(翻訳・編集/如月隼人

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