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15日、中国の地方紙・華商報は陝西省西安市郊外にある仙人と隠者の聖地、終南山を訪ね、そこに暮らしているという5000人の修行者たちについてレポートした。
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2012年2月15日、中国の地方紙・華商報は陝西省西安市郊外にある仙人と隠者の聖地、終南山を訪ね、そこに暮らしているという5000人の修行者たちについてレポートした。
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修行僧や道士といった人たちは、映画やドラマの中だけの存在というわけではない。ここには全国各地から5000人が集まり、1000年前と同様の隠遁生活を送っているという。西安市在住の編集者・張剣峰(ジャン・ジエンフォン)さんは3年前から数々の山や谷を越え、これまでに400kmを歩いて600人の修行者たちを取材した。「書籍やファッション誌の編集は、俗っぽく享楽的なことばかりを扱う。どうやってもうけるか?もうけたお金をどう使うか?そんなことばかり考えているのも楽しいけれど、それでは人生の視野が狭まる。そんな時に出会った隠者たちの暮らしは、まさに突然わき出た清水のように思えた」と語り、これまでの取材内容を、自身の主宰する「問道」という冊子にまとめている。
しかし、山に入ったからといってこうした修行者たちにすぐ出会えるというわけではない。観光客をはじめとした外来者の好奇の視線を避けるように暮らしている者も少なくなく、彼らの暮らす庵を訪れても“いちげんさん”はお断りだったり、秘密の合言葉を知らない人は訪問謝絶だったりする。
「寒々しい山に暮らす彼らの生活はさぞかし悲惨なものだろうと想像する人は多いだろう。しかし、彼らの多くは学識の高い知識人。山にこもって自らの研究道を究めながら、物欲や所有欲から解放された豊かな暮らしをしている。『ここでの生活は遊びさ』と語る人もいる」。蔵書でいっぱいの住まいには自作の精緻(せいち)な家具が所狭しと並び、小さな菜園で野菜を育て、山すその住民から米や油などの“托鉢(たくはつ)”を受けるが、その“托鉢”すら、「あってもなくても構わない」ものだという。
彼らを取材するうちに、張さんの人生に対する考え方も変わった。「欲しいものは何としてでも手に入れる」という考えから精神的なものに着眼点を移すと、得るものも少ない代わりに失うものも少ないことがわかった。社会や環境の変化に左右されない、シンプルで恒久的なものだけが残る。食べて、寝て、日なたぼっこをしてお茶を飲む。そんなことに幸せが宿っていると感じられるようになるそうだ。(翻訳・編集/愛玉)
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