トランプ米大統領が仕掛けた貿易戦争、中国「恐れも逃げもしない」と反発、全面対決避けたい本音も?

Record China    2018年3月31日(土) 17時0分

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米国のトランプ大統領が中国に仕掛けた貿易戦争。中国は「恐れも逃げもしない」と強気の構えだが、一方で米中両国が何も得をしない全面対決は避けたいとの本音も垣間見える。

2018年3月30日、米国トランプ大統領が中国に仕掛けた貿易戦争。輸入制限に中国は「どの国とも貿易戦争を望まないが、それを強いる国があるのなら、恐れも逃げもしない」と強気の構えだ。一方で米中両国が何も得をしない全面対決は避けたいとの本音も垣間見える。

トランプ政権は23日、中国を主な標的に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を発動。これとは別にトランプ大統領は通商法301条に基づき、中国の知的財産権侵害への貿易制裁発動を命じる文書に署名した。最大で年間600億ドル(約6兆3000億円)相当の中国製品に25%の関税が課される。

これに対し、中国共産党中央委員会機関紙・人民日報の電子版は「最近の米国の保護主義的政策は明らかに旧時代的であり、新世界と相いれず、西側も『いじめ的』政策を非難している」と指摘。「301条調査は冷戦時代に生まれた一国主義的な法的ツールであり、米国が『警察』『検察官』『陪審団』『裁判官』『法執行官』の役割を兼務することを可能にする。これは本質的に貿易上の有利な地位を利用して、貿易パートナーに犠牲を強いるものだ」と決めつけた。

米国の貿易赤字については「1980年代以来、拡大し続けており、レーガン政権以来のさまざまな保護貿易的措置もこの流れを変えられずにいる。実際にはトランプ政権発足から1年余りで貿易赤字は逆に過去9年で最高に達した」と強調。「自らが病気になったのに他人に薬を飲ませるという方法は明らかに理に反し、通用もしない」としている。

米国の輸入制限に対抗して中国は128品目の報復対象を発表。第1弾として米国からの果物、ワイン、鋼管などに15%、第2弾で豚肉やリサイクルアルミに25%の関税をそれぞれ上乗せすると明らかにした。中国メディアによると、率直な物言いで知られる楼継偉・元財政相は豚肉などを標的にした報復を「軟弱」と切り捨て、「自分ならば、まず大豆、次に自動車、そして航空機だ」と語ったという。

一方で北京晨報によると、中国商務部の王受文・副部長は25日に開かれた中国発展フォーラムで「貿易戦争に勝利者はいない。双方が協力と交渉により、理性的な対策を講じて摩擦を解決することを望む」などと発言。抑制的な対応を取る姿勢ものぞかせた。

世界1、2位の経済大国が衝突すれば、日本を含む世界経済への影響は計り知れない。中国にとっても大きな痛手となる。米CNNは「敵対的な応酬が続く中、米中間で貿易戦争を回避するための交渉も進んでいることが明らかになった」と報道。「米国第一」で突っ走るトランプ政権に表向きには反発しながら、水面下の交渉で落としどころを探るのが中国の本音ともみられる。(編集/日向)

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