中国有数の桜の名所、花見客が枝を揺すって「落花狼藉」―湖北省武漢市

Record China    2018年3月28日(水) 14時50分

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中国有数の桜の名所である湖北省の武漢大学は、枝を揺すって文字通りの「落花狼藉(ろうぜき)」の振る舞いに及んだり、幹に文字を刻む花見客などへの対策に頭を痛めている。写真は武漢大学の桜。

湖北省武漢市にある武漢大学と言えば、中国有数の桜の名所だ。大学は学外の花見客の構内立ち入りを認めているが、枝を揺すって文字通りの「落花狼藉(ろうぜき)」の振る舞いに及んだり、幹に文字を刻む者が出るなどで、対策に頭を痛めている。25日付で新京報などが伝えた。

武漢大学は今年、桜の開花時期には平日の場合、1日当たり1万5000人、土・日曜日には3万人まで、花見のために構内に立ち入ることを認めた。あらかじめ予約し、立ち入りの際に本人の身分証を確認する方式で、料金は不要だ。

学生が24日夜に花見に出かけたところ、桜の木の周囲に巡らされた柵の中に侵入して枝を強く揺すって「花の雨」を降らせた男性がいたという。多くの人が歓声を上げ、やめるよう抗議する人もいたが、男性は次々に枝を揺すった。男性は子連れで、子どもに対して「きれいか?」などと呼び掛け、子どもは「きれいだ」と答えていたという。

この光景を撮影した動画がSNSに投稿されると、武漢大学学生と見られる人物が寄せた「数日前の授業後に行ってみたが、枝の低い部分の枝は(花がむしり取られて)はげていた」「一般開放はやめろ。毎年、同じじゃないか」など、被害が多発しているとする指摘や批判のコメントが次々に寄せられた。

また、構内立ち入りには事前予約が必要だが、複数の旅行グループが大学の門を強行突破して進入したとみられる情報もある。

武漢大学は開花した桜の様子をSNSで紹介する一方で、枝を折る、木に登る、木の幹に字を刻む、あたり構わずごみを捨てるなどの行為を撮影した写真も公開し、「全学の教師と学生が大切にしているのです。われわれが『最も美しい大学』の光景を維持できるよう、皆さまのご協力を望みます」とするメッセージを掲載した。

同大学関係者によると、桜の開花時期には来客管理のために学生ボランティアの募集も行っている。桜並木の通りには「50歩間隔に1人」の割り合いでボランティアを配し、桜の枝を折ったり揺する行為があれば、大学側に通報することにしている。

しかし大学側も、行政部門としての強制執行の権限がないために、「非文明的」な行為をする花見客がいても処罰はできず、勧告や指導に留めるしかないという。

大学関係者によると、訪れる花見客の「質」は一般的な桜の名所よりは良好なはずだ。多くの人の目的は単純な花見ではなく、武漢大学という高等教育機関に敬意を持っているからこそ、入構して桜を眺めたいと希望するからだ。そのため、「非文明的」な行為をする客は少数にとどまっているという。

武漢大学の桜は1930年代末に、同地を占領していた日本軍が30株ほどを植えたのが始まりだった。そのため、日本が敗戦した後にはすべて伐採すべきとの意見も出た。49年初頭に、武漢を守備していた国民党の張軫将軍(後に人民解放軍)が、「武漢大学は宝庫。構内の草1本、木1本もすべて残す」として伐採案を退けた。

日本軍が植えた桜は50年代に枯れ始めたが、72年の日中国交正常化の際に田中角栄首相が周恩来首相に贈った桜1000株のうち50株が武漢大学に植えられた。80年代、90年代にも日本から桜の寄贈があった。(翻訳・編集/如月隼人

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