フェイスブック上場を通してみる中国ネット産業―中国メディア

Record China    2012年2月12日(日) 12時48分

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10日、ソーシャルユーティリティサイト「フェイスブック」がこのほど、米国の証券取引委員会に新規株式公開(IPO)の申請を正式に提出した。中国にもフェイスブックのような偉大なインターネット企業が出現する日は来るだろうか?写真は人人網。

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2012年2月10日、人民網日本語版によると、ソーシャルユーティリティサイト「フェイスブック(facebook)」がこのほど、米国の証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の申請を正式に提出した。50億ドルの資金調達を計画しており、上場すれば時価総額は750億ドルから1000億ドルに達するものとみられる。フェイスブック上場は科学技術企業のIPO取引としては過去最大規模のものになり、インターネット検索エンジンの巨人グーグルが2004年に上場した際の資金調達額19億ドルを上回る見込みだ。グーグルの当時の時価総額は230億ドルだった。科技日報が米紙ニューヨーク・タイムズの1日付報道として伝えた。

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フェイスブックの成功は、われわれにイノベーションの本当の意味を如実に示してくれた。伝統的な閉じられたイノベーション方式に比べ、フェイスブックは初めから長期的な発展戦略という視点をもち、目先の小さな利益にかかずらうことがなかった。常に、急速に変化する社会のニーズに対応することをすべての研究開発・運営の基本的な方向性とし、利用者が開かれたプラットフォームを通じていつでもニーズを提起したり、ニーズの問題の解決に参与したりできるようにして、イノベーションの共同体を形成し、市場や利用者の需要に合致した製品サービスを持続的に打ち出すことに成功した。フェイスブックの素晴らしいところは、市場の論理や資本の論理に振り回されず、社会的需要の背後にある巨大なビジネスチャンスをがっちりとつかまえ、その中からかつてないほどのイノベーションパワーを獲得したことにある。

中国のインターネット市場はこの十数年で急速な発展を遂げた。中国国家統計局が発表したデータによると、中国のネット利用者数は2008年2月に米国を抜いて世界一となった。中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した「第29回中国インターネット発展状況調査統計報告」によると、中国のネット利用者の規模は2011年末時点で5億1300万人に達した。ここから中国のネット市場の発展への潜在力は世界のどの国をもはるかに上回ることがわかる。

ここ数年、中国インターネット業界にはイノベーションの波が絶えず押し寄せ、さまざまな細分化された分野で一連のネット企業が成功を収めた。だが残念なのは、中国のネット企業のほとんどが米国をモデルとしていることだ。三大ポータルサイトはヤフーを、検索エンジンの百度はグーグルを、人材募集サイトの前程無憂はモンスターを、動画サイトの優酷や土豆などはユーチューブを、それぞれモデルにしている。フェイスブックの主な模倣者は人人網だ。当然のことながら、中国ネット業界にも一連のイノベーションモデルが登場し、奇虎360の無料のセキュリティーソフトなどが登場している。だが中国のネットが発展して今日に至る中で、フェイスブックのような業界を牽引する大手企業が出現することはなかった。すでにニューヨーク証券取引所に上場を果たした奇虎や人人網も、きらびやかな上場初日を過ぎると徐々に停滞し、人々をがっかりさせている。

長期的にみれば、イノベーションパワーの喪失により、中国インターネット産業は国際競争の中で劣勢にある。こうした情勢を挽回しようとするなら、知的財産権の保護状況の不十分さ、専利(特許、実用新案、意匠)の申請に時間がかかりすぎること、市場の無為な競争といった外部環境の問題を解決しなければならない。より重要なことは、中国企業のイノベーション展開に向けた自覚と能力を不断に向上させる必要があるということだ。市場は最も貴重なイノベーション資源であり、中国という大市場は中国企業のイノベーションにおける最大のパワーである。国内市場と利用者の需要を十分に理解し、国内の広大な市場資源という優勢を利用し、イノベーションを大胆に試みることが必要で、目先の利益を焦って求めたり、無計画な模倣を行ってはならない。企業は自身の位置づけを明確にし、長期にわたって持続的発展が可能な業務のプラットフォームを着実に打ち出す必要がある。条件が許す範囲で、企業は勇気をもって海外に進出し、海外市場の特色に合致した製品とサービスを開発し、これを運営し、国際的なインターネットブランドを樹立しなければならない。中国にもフェイスブックのような偉大なインターネット企業が出現するものと期待する。(編集/TF)

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