中国で富裕層の「資金逃避」が活発化、秋の指導者交代控え不安増大か―英紙

Record China    2012年2月8日(水) 6時28分

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6日、秋に指導者交代を控えた中国で、“裏ワザ”を使ってこっそりと資金を海外に持ち出す富裕層が増えている。写真は中国のクレジットカード。

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2012年2月6日、秋に指導者交代を控えた中国で、“裏ワザ”を使ってこっそりと資金を海外に持ち出す富裕層が増えている。英紙フィナンシャル・タイムズ(中国語版)が伝えた。

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中国に返還された旧ポルトガル植民地のマカオには高級時計店がずらりと立ち並ぶ。これらの店は、中国本土の観光客が時計を買うふりをして資金を海外に持ち出すのに必要な存在だ。クレジットカードでの支払い手続きを済ませるとすぐに返品に応じる店主。その際は現金での払い戻しが行われ(ただし、若干の手数料が差し引いてあるが)、カードでの支払いは取り消さない。

1月、マカオのカジノ収入は前年同期比35%増に達した。これは春節(旧正月)休暇を利用して中国本土の観光客が大挙したことによるもの。彼らはクレジットカードを使って賭博をし、勝った分を現金(外貨)で受け取る。これもまた中国から資金を持ち出す一種の方法だ。こうすれば、2万元(約24万円)という中国本土からの持ち出し上限額など関係ない。

東京では銀行員や不動産仲介業者が驚いた様子でひそひそ話をしている。中国人が不動産を買うのにデビットカードを使うからだ。シンガポールでは政府関係者が「最近公布された不動産投機抑制策は新興の中国人富裕層に向けたもの。これまでのようなインドの富豪向けではない」と語っている。

資本逃避は中国でもう何年も前から中国共産党幹部、上場(特に国外で上場)した国営企業の経営層、新たに富を手にした企業家らによって行われてきた。それが、今年はその動きが活発化している。10月の「18大」(第18回中国共産党全国代表大会)で指導者層が交代するからだ。これにより、今まで恩恵を受けてきた多くの人が後ろ盾を失う。こうした動きは「どんな世の中になるか分からない」という富裕層の不安の表れだろう。

だが、中国が直面する最大の課題は経済ではなく、社会だといえる。米国の学者、ビクター・シー(Victor Shih)氏によれば、中国の上位1%の富裕層が持つ流動資産と不動産の総計は2兆〜5兆ドル(約153兆〜383兆円)と推計されているが、最下層の人たちはいまだに「現金をやり取りする経済活動」にさえも参加できずにいる。その格差はあまりにも大きい。(翻訳・編集/NN)

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