カンフーもパンダもあるのに「カンフー・パンダ」がない中国が進むべき道

人民網日本語版    2018年3月19日(月) 18時40分

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全国政治協商委員で俳優のジャッキー・チェンは、「中国にはカンフーもパンダもあるのに『カンフー・パンダ』はない。ディズニーがあの作品を製作したことで、世界中に知られるようになった」と語った。

全国政治協商委員で俳優のジャッキー・チェンは、「中国にはカンフーパンダもあるのに『カンフー・パンダ』はない。ディズニーがあの作品を製作したことで、世界中に知られるようになった」と語った。同作品でマスター・モンキーの声を担当したジャッキー・チェンは、ディズニー映画「ムーラン」でも李翔将軍役の吹き替えを担当した。

さらに、「中国が製作した『瀛台泣血(The Last Tempest)』や『西太后〜垂簾聴政〜』はとても素晴らしい作品だが、中国国内でしか放送されず、『ラストエンペラー』は世界中で上映されたのはなぜか。いつになったら、中国は外国人が作った映像作品に頼らず、中国文化を広められるのか。最近上映されたドキュメンタリーの『AMAZING CHINA』は非常に良くできている。英語版を製作し、海外でも上映するべきだと思う」と続けた。

中国文化を海外に進出させるのに、最も幅広い視聴者をもつ映像作品は海外進出を図る有効な手段の一つであると言える。ドラマ『宮廷の諍い女』はベトナムやタイ、マレーシアなどのアジア近隣諸国で一世を風靡しただけでなく、米国にも輸出された。全国政治協商委員で同ドラマの監督でもある鄭暁龍氏はインタビューに対し、「文化を海外に進出させるには、文化の最高レベルに到達する必要がある。中国の若者が米国のドラマや映画を好んで見るように中国のドラマや映画も欧米に輸入するべきだ」とした。

「宮廷の諍い女」を製作した当時、鄭氏はこのドラマを米国人に見せるという点まで考えていなかったという。彼は「宮廷諍いの物語としてだけでなく、この物語を通して封建社会の婚姻制度を批判する」という価値観に基づき、製作したのだという。

鄭氏は、「世界の人々も認めるような価値観の無い作品が国外に進出できるわけがない。社会主義の核心的価値観である『富強、民主、文明、調和、自由、平等』は世界の人々も認める価値観。こうした価値観に基づく作品ならば海外進出もできるだろう」とした。

鄭氏は「価値観」というこの3文字を繰り返し強調し、「理性的な認識を抱いて初めて理性的な作品を製作することができる。例えば抗日戦争をテーマとした作品なら、日本の軍国主義が中国に対して行った迫害を批判すべきであり、日本人を批判すべき。そうすることで初めて日本人も納得させるような映像作品になる」との見方を示した。

ドラマだけでなく、ドキュメンタリー作品も中国文化が海外進出を図る上で欠かすことのできない分野。全国政治協商委員でドキュメンタリー監督の王建国氏は、「英国のメイ首相は訪中にあたり、習近平国家主席にBBC製作の『ブルー・プラネット2』を土産に贈った。このたった一枚のディスクから私たちは有益な啓示を得ることができると思う。一つの国にとって、自国のドキュメンタリーが有しているレベルの高さとテーマの深さは、ある意味で自国文化への自信とその国がもつ科学技術のイノベーションの高さを示していると言える」と語った。

中国中央テレビ製作のドキュメンタリー「スーパープロジェクト」はすでに世界の170カ国や地域で人気を集めている。王氏は、「なぜ同作品にこれほど多くの国内外の視聴者が関心を寄せているのか?それは同作品がドキュメンタリーというスタイルで『スーパープロジェクト』の背後にある中国人の物語を語り、世界に中国の現代化の歩みを見せているからだ」とした。

現在、中国はすでにドキュメンタリー生産大国となっているが、まだ強国のレベルには達していない。昨年、各レベルのテレビ局はドキュメンタリーを約6万時間放送し、約2万時間分のドキュメンタリーを製作し、50億元(1元は約16.7円)以上を投資したが、優れた作品は極めて少なかった。王氏は、「特に自然や科学に関するドキュメンタリーの製作が中国の不得意とするところ。中国には現在、『ブルー・プラネット』や『プラネットアース』のようなドキュメンタリーを製作する能力はまだない」と指摘した。

王氏は、「ほとんどのドキュメンタリーは長い製作時間を必要とする。こうしたプレッシャーは市場からのサポートだけでは難しく、国家と社会による有効なメカニズムの構築と援助基金を設立していく必要がある。そしてドキュメンタリーの製作はこうした国の援助だけでなく、社会やより多くのドキュメンタリー制作者の積極的な参加も必要としている」と示した。

そして王氏は、「ここ数年、ドキュメンタリーの視聴者に喜ばしい変化が生じている。それは若い視聴者がますます多くなっていることだ。若者に人気の動画サイトでドキュメンタリーのアクセス率が上昇している。中国のドキュメンタリーは力強いパワーやノンフィクションの内容を映像として記録するスタイル、優れた製作、素朴な物語などの影響をうけて、ますます多くの国内外の視聴者を惹きつけている」とした。(編集HQ)

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