日本ドラマ「アンナチュラル」がおもしろい理由は?

人民網日本語版    2018年3月19日(月) 18時20分

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人気女優・石原さとみが主演の法医学ミステリードラマ「アンナチュラル」は16日夜に最終回を迎えた。中国のコミュニティサイト・豆瓣の同ドラマの評価は9.2ポイント(10ポイント満点)と高評価を獲得している。

人気女優・石原さとみが主演の法医学ミステリードラマ「アンナチュラル」は16日夜に最終回を迎えた。中国のコミュニティサイト・豆瓣の同ドラマの評価は9.2ポイント(10ポイント満点)と高評価を獲得している。同ドラマでは、石原さとみ演じる法医解剖医の三澄ミコトが、「不自然死究明研究所(UDI)」の筆頭医として、不自然死した人の死因を究明するストーリーだ。

三澄ミコトは、解剖実績1500件を誇り、同僚のベテラン法医解剖医の中堂系(井浦新)の実績はその2倍の3000件に達する。また、科学知識を視聴者に伝えるためにミステリードラマによく登場する「新人」もおり、アルバイトとして記録員を務める医大生・久部六郎(窪田正孝)が登場している。ストーリーの展開や意外性を見ると、ミステリードラマの雰囲気とユーモアを兼ね備え、毎回社会現象がテーマになっているため、視聴者にとってはいろいろ考える機会にもなる。脚本は、2016年の大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子が手掛けた。

これまで「かわいい女子」の代表格だった石原さとみにとって、「アンナチュラル」は新たなイメージを獲得する作品となった。ここ数年、石原さとみは、同性の憧れの的となる「モテ女子」を演じてきた。例えば、「校閲ガール」では、快活でちょっと天然の女性を演じ、「5→9 〜私に恋したお坊さん〜」ではそのファッションコーディネートが話題になった。また、「失恋ショコラティエ」では、天然系小悪魔女子を演じた。しかし、「アンナチュラル」では、クールで落ち着きある敏腕な女性を演じた。

実際には、近年、法医学をテーマにしたドラマは少なくない。例えば、昨年、中国では「法医秦明(Dr.Qin)」が大ヒットした。「法医秦明」と比べると、「アンナチュラル」は、法医の仕事の内容にスポットをあまり当てておらず、血を伴う解剖シーンはほとんどない。同ドラマでは、真相が少しずつ明らかになるにつれ、各登場人物の人間性も浮き彫りになっていく。これまでの医療をテーマにしたドラマと違い、「アンナチュラル」は現実味があり、実際の社会問題を反映している。日本の業界関係者の間でも同ドラマは好評を博している。

法医学ミステリードラマである「アンナチュラル」の第1話では、35歳の高野島渡が自宅で突然死亡し、虚血性心疾患と判定される。しかし、UDIの調査で、致死率が非常に高いMERSコロナウイルス感染が原因であることが分かる。そして、高野島渡の同僚・敷島由果もMERS感染で亡くなる。出張先のサウジアラビアから帰国後に病院に検査に行った高野島渡は、パンデミックを持ち込んだとニュースショーなどで吊し上げられてしまう。しかし、UDIは、実際には大学病院での院内感染が原因で、高野島渡も被害者であることを突き止める。一見、何でもないようなストーリーに見えるが、「アンナチュラル」は二転三転するストーリーを通して、疑われるのはいつでも一般庶民で、威厳ある機関にその疑いの目が向けられることはないことを伝え、日本社会の心臓に触れている。

出演者の演技がうまく、ストーリーもドキドキする内容のほか、「アンナチュラル」は、中国の職場をテーマにしたドラマがなぜ面白くないかを教えてくれている。日本のドラマが中国のドラマと大きく異なるのは、毎回のストーリーが、職場以外の問題にも目を向けさせてくれる点だ。例えば、石原さとみ演じる三澄ミコトは、バイクの事故で亡くなった男性の死因が過労死であるかをはっきりさせるために、事故現場付近の2000個ものマンホールを調べ、傷跡が残されていないかを確かめる。また、溺死した女性が自殺なのか他殺なのかをはっきりさせるために、その女性の彼氏が葬儀場から盗んできた遺体を解剖する。これらは、法医学の範囲を超えた内容と言える。自分の仕事を責任を持って果たすために、ミコトは常識外れの行動をするほか、広い視野を持って難題を解決していく。日本のドラマの登場人物は自分のするべき仕事をはっきり分かっているのに対して、中国のドラマの多くでは、登場人物が働いてはいても、実際には仕事と関係のないことにほとんどスポットが当てられている。(編集KN)

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