<中国気になる話>「中国に感謝」から一転!チャド政府、中国資本の石油精製所に閉鎖命令

Record China    2012年1月28日(土) 17時34分

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27日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国企業が出資して設立されたチャド共和国の石油精製所閉鎖を報じた。チャドの大統領が「中国に感謝」と述べてから1年足らずでの状況は一転した。写真は天津市の中国石油大港油田公司。

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2012年1月27日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国企業が出資して設立されたチャド共和国の石油精製所閉鎖を報じた。

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20日、チャド共和国商務省は中国資本によって設立されたDjarmaya石油精製所の閉鎖を決めた。原油価格で中国石油と意見が折り合わなかったのが原因だという。RFI中国語版が伝えた。

6000万ドル(約46億2000万円)を 投じて建設されたDjarmaya石油精製所はチャドの首都ンジャメナの北に位置する。2011年6月に操業が始まったばかり。中国石油が60%、チャド政府が40%の権利を保有する。昨年6月の完成記念式典にはチャドのイドリス・デビー・イトゥノ大統領が出席し、「チャドのエネルギー独立の象徴」とたたえ、将来的には隣国に石油を販売することへも意欲を示していた。また「この宝は中国の贈り物であり、われわれは中国に感謝しなければならない」とも話している。産油国チャドが自国内で石油精製をしていくことへの期待の表れだろう。

ところがそれから1年も経たないうちに関係はこじれ、チャド政府が精製所の閉鎖を命令する事態となった。RFIによると、「石油販売価格で合意できなかった」とチャド政府が主張しているとのこと。「Oil&GAS JOURNAL」によると、石油販売価格が安すぎて石油精製所が赤字になっていたことが背景にあるという。昨年8月時点で470万ドル(約3億6200万円)の赤字が計上されていた。また昨年8月には同工場で働くチャドの従業員が賃上げを求めてストライキを起こすトラブルも起きていた。なお精製所の操業停止に伴い、チャドでは石油不足になっているという。

近年、中国企業のアフリカ進出、エネルギー資源確保が盛んに伝えられているが、政治的・経済的に複雑なアフリカでビジネスを展開するのは容易なことではない。1年足らずの間に蜜月が破綻したチャドの石油精製所はその好例といえそうだ。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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