<中国気になる話>旧正月の一家団らん「年夜飯」、なのにレストランと客のトラブル続発―中国

Record China    2012年1月23日(月) 12時3分

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2012年1月22日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国旧正月の風習「年夜飯」をめぐる政府規制について紹介している。写真は20日、上海市家庭サービス業界協会が実施した優秀家政婦を招いての忘年会。

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2012年1月22日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国旧正月の風習「年夜飯」をめぐる政府規制について紹介している。

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2012年の旧正月は1月23日。前日は「除夕」(大みそか)と呼ばれ、一家そろって「年夜飯」と呼ばれる夕飯を食べる風習がある。最近ではレストランやホテルで豪華な「年夜飯」を食べる人が増えてきたが、トラブルを恐れた各地の地方政府は「年夜飯登録制」を推進している。

毎年、旧正月が近づくと「ゴージャス年夜飯」関連のニュースがメディアをにぎわす。やれ超高級フカヒレだ、1本10万元(約120万円)の白酒だ、1卓8888元(約10万6000円)のコース料理だ、云々。さらには「セクシー下着ショー付き年夜飯」などとんでもない企画で勝負する会社も。

高級レストラン、ホテルにとっては稼ぎ時だが、その一方でトラブルも絶えない。収容能力を超えて予約を取り、家族で楽しく食事しようとレストランに行ってみたら席がなかった、高い金を払って「超高級VIPセット」を予約したら、みすぼらしい食事しか出てこなくてケンカにというのが主要パターンだ。

毎年同じトラブルが続くことに業を煮やしたのか、各地の地方政府が「年夜飯登記制」を推進している。詳細は各地方によって異なるが、一定人数以上の年夜飯を提供する企業は政府に届け出をする必要があったり、許容人数を超える受け入れは許可されなかったりといった内容だ。

誰も働きたくないこの旧正月期間。その効果のほども定かでない届け出を受理しなければならない役所の皆様、ご苦労さんといったところだろうか。

さて、上述の年夜飯関連のトラブルを読むと、日本人的には昨年一世を風靡した「グルーポンおせち」が想起される。中国はどうかというと、もちろんグルーポン系共同購入サイトで、お安く年夜飯が予約できる仕組みだ。共同購入ガイドサイト・団800発表の統計によると、北京、上海広州など主要10都市で販売された年夜飯は5万4000件、総額3000万元(約3億6000万円)近いという。

とはいえ、トラブルが多いのも事実。「個室使用不可」「飲料の持ち込み禁止」(中国では飲食店への飲料の持ち込みは基本的にOK。経費で飲み食いできない一般人は近くの酒屋で買って持ち込むケースが多い)などの細かい制限があるほか、「宣伝されているほど豪華な料理じゃない」「チケットは買えたのに、満員で予約できなかった」などというケースも。新聞では、「グルーポン系サイトでの年夜飯購入に注意しよう」などという呼びかけもあった。

国営系メディアの新華網は、「年夜飯の自宅回帰傾向が次第に強まる」という記事も掲載しているが、「どのホテルも満席だから仕方ない」とのコメントもあり、「家のほうがのんびりできるし、トラブルもないし、そのほうがよいのでは?」という願望を含めた記事のようにも見える。

年夜飯はもともとが自宅で食べるものではあるが、その準備は大変だ。多くの親族が集まる家では、料理のできる人が1日がかりで料理を作りまくることになる。この苦労を考えれば、ホテルでの食事に人気が出たのも理解できるのだが…。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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