格差を表す「ジニ係数」を10年も発表せず、理由は高所得層の「隠れ所得」―中国国家統計局

Record China    2012年1月20日(金) 20時11分

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17日、その国の貧富の差を表す「ジニ係数」を中国政府が2000年から10年以上も発表していなかった理由について、中国国家統計局の馬建堂局長が「高所得層の実態がつかめなかったため」と釈明し、物議を醸している。写真は山西省運城市の農村信用社。

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2012年1月17日、その国の貧富の差を表す「ジニ係数」を中国政府が2000年から10年以上も発表していなかった理由について、中国国家統計局の馬建堂(マー・ジエンタン)局長が「高所得層の実態がつかめなかったため」と釈明し、物議を醸している。18日付で第一財経日報が伝えた。

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ジニ係数とは社会における所得分配の不平等さを測る指標で、係数の値がゼロに近いほど格差が少ない状態を表す。社会の不安定が生じる警戒ラインは0.4とされているが、国家統計局が2000年に発表した時点では「0.412」だった。

この間、北京師範大学収入分配・貧困研究センターの李実(リー・シー)主任が2007年に「0.48」、世界銀行が2009年に「0.47」とするなど、様々な推計値が発表されている。それぞれ数値に若干の違いはあるものの、「中国のジニ係数は警戒ラインの0.4を超えている」というのが共通する見解だ。

馬局長は17日の記者会見で、ジニ係数の発表を10年以上も怠ってきた理由について、記者から質問を受けると、「高所得層の本当の収入を把握できなかったため」と回答。これに対し、各方面から批判が噴出している。

中国改革基金会国民経済研究所の王小魯(ワン・シャオルー)副所長は「一部の高所得層に巨額の『隠れ所得』があるということだ。だが、政府発表の数値がないというのはおかしい」と指摘。

李主任も「高所得層の実態がさらに明らかになれば、ジニ係数は0.5を超えるかもしれない」との見方を示す。経済学者の許小年(シュー・シャオニエン)氏も「まずは目の前のデータから算出し、後で修正すればよい。データが不正確だから発表しないというのは通らない」と非難した。

記事は「中国の貧富の差はかなり大きい。これは争う余地のない事実」とした上で、国家統計局が10年もジニ係数を発表しなかった理由について、「現実を直視することから避けてきたとしか言いようがない」と厳しく批判した。(翻訳・編集/NN)

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