東日本大震災から7年、福島に戻るかどうかで離婚する夫婦も―中国メディア

Record China    2018年3月13日(火) 13時50分

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12日、新華網は、東日本大震災発生から7年が経過した現在でも、故郷に戻れず避難生活を続けている人が数多く存在することを伝えた。資料写真。

2018年3月12日、新華網は、東日本大震災発生から7年が経過した現在でも、故郷に戻れず避難生活を続けている人が数多く存在することを伝えた。

新華網の記者は、大学3年生の林奈々子さんを取材。林さんは両親、祖父母と共に、福島第1原発から10キロ足らずの所にある福島県富岡町夜ノ森地区で暮らしていたが、地震と津波に伴う原発事故で避難を余儀なくされたという。林さんと両親は同原発から60キロ離れたいわき市に集合住宅を借り、祖父母とは離れて暮らすことになった。「避難所での生活は苦しくて、慣れない環境だったので、祖父母は大きなストレスを抱えていた」と林さんは語ったという。

被災当時中学生だった林さん。県外に避難していった仲間が「被災地からやって来たという理由でいじめや差別を受けた」こともあるという。そして自身は3年前に単身東京の大学への進学を決めた。「故郷はゴーストタウンみたいに空っぽ。福島に就職のチャンスはない。卒業後も東京に残って就職する。私と同じ考えの若者は多いと思う。戻りたくないのではなく、戻れない」と話したそうだ。

原発事故避難者を支援する民間団体の事務局長を務める瀬戸大作さんによると、福島に戻るかどうかで意見の違いが生じ、最終的に離婚せざるを得なくなった被災世帯もあるそうだ。

内堀雅雄福島県知事は7日「原発事故前に比べて、福島県の人口は約14万8000人減った。原発事故による多重災害は過去のものではなく、現在進行形だ」とした。原発の処理について同県は主導権を持っておらず、日本政府と東京電力が30〜40年後の廃炉作業完了を目標に進めているという。廃炉にあたっては、汚染水の処理問題など依然として大きな問題を抱えた状態だ。

記事によると、林さんは福島がかつての美しさと生気を取り戻すことを願っているものの、政府や東電の災害処理はまだまだ足りず、近いうちに人が戻ることはないとも語っているという。(翻訳・編集/川尻

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