中国モバイル決済規模は4年で22倍、中国基準を海外へ―中国メディア

人民網日本語版    2018年3月12日(月) 18時0分

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電子決済はわずか数年間で経済の発展や人々の暮らしなどさまざまな方面に浸透し、とりわけ「中国の新4大発明」などと呼ばれるモバイル決済は、規模が世界トップクラスに達しただけでなく、2018年の政府活動報告にも取り上げられた。

電子決済はわずか数年間で経済の発展や人々の暮らしなどさまざまな方面に浸透し、とりわけ「中国の新4大発明」などと呼ばれるモバイル決済は、規模が世界トップクラスに達しただけでなく、2018年の政府活動報告にも取り上げられた。業界関係者の多くが、中国のモバイル決済基準を海外に普及拡大し、この分野での発言権を強化することを提起する。北京商報が伝えた。

▽モバイル決済の規模が4年で22倍に

モバイル決済は今年も全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)のキーワードだ。国務院の李克強(リー・カーチアン)首相は3月5日に行った政府活動報告の中で、「過去5年間に、中国の科学技術進歩の寄与率が著しく向上し、高速鉄道ネットワーク、EC、モバイル決済、シェアリングエコノミー(共有経済)などが世界のトレンドを牽引した」ことに初めて言及した。

中国のモバイル決済の発展ペースはどれほどのものだろうか。中国人民銀行(中央銀行)が発表した2013〜17年の決済システム運営状況を詳しく見ると、過去4年間に中国のモバイル決済の規模は22倍に拡大した。13年の決済件数は16億7400万件、決済金額は9兆6400億元(約163兆8800億円)だったのが、17年には375億5200万件、202兆9300億元(約3449兆8100億円)に増加し、いずれも世界一だった。

モバイル決済のトップレベルの地位を固めるにはどうしたらよいかが、業界が現在取り組んでいる問題だ。中央財経大学金融学院の賀強教授は今年の両会へ、モバイル決済産業の世界トップレベルの地位の維持に関する提言を打ち出した。それによると、「モバイル決済をデジタル金融包摂という国策の推進における核心的戦略とし、引き続きモバイル決済の革新と海外進出に良好な政策的環境を提供する必要がある。モバイル決済を『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブの一部分とし、中国企業と現地機関との協力を奨励する必要がある。同時に中国企業が世界の決済産業の基準制定を牽引することを奨励し、『中国基準』の発言権を強化する必要がある」という。

別の公開の場面でも、業界関係者がモバイル決済と「中国基準」の海外進出を推進するよう提起した。対外経済貿易大学の殷剣峰教授はこのほど人民日報海外網の「モバイル決済が中国の新経済の先頭を走る」と題したイベントで、「中国が目下、進めている『一帯一路』イニシアティブが主なよりどころとしているのは、高速鉄道のようなハード面のインフラであり、決済システムはソフト面のインフラとしてこちらも普及推進に力を入れる必要がある。決済システムは中国の人民元の国際化、金融企業と非金融企業の国際化における重要な土台だ。政策面でより重視し、モバイル決済の健全な発展を積極的に推進し、中国のモバイル決済基準の海外への真の普及拡大をはかる必要がある」と述べた。

▽海外進出に挑戦

実際には、支付宝(アリペイ)と中国銀聯を代表とする国内機関がすでに「海外への船出」に積極的に乗り出し、東南アジアや中央アジアの各国・地域に技術、基準、経験を輸出することに成功し、現地に金融包摂の発展とデジタル経済のモデル転換をもたらした。易観の決済業務アナリストの王蓬博氏は、「アリペイがインドでトップの決済企業を支援して設備や製品の充実をはかったケースなどから、中国のモバイル決済技術が非常に進んでいることがわかる。最近は、アントフィナンシャルサービス グループの時価総額が1000億ドル(約10兆6700億円)に達したとの情報も伝えられた」と述べた。

似たような成功事例には次のようなものがある。17年7月、銀聯が中心になって制定した世界通用のQRコード決済基準が、国際クレジットカードブランドと決済技術基準の認定機関EMVcoの公式サイトを通じて発表された。中国銀聯がEMVcoのメンバーとして、グローバル決済基準の制定に積極的に参加し、グローバル決済基準の革新の推進、中国基準と国際基準との融合の促進で重要な役割を果たしている。銀聯はこのほか、一部の国の決済・清算システム構築も積極的に支援し、技術面で支援を提供する。12〜17年には、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンなど各国と引き続き協力関係を結び、銀聯クレジットカードの基準を商業銀行のカード受理・発行業務における技術基準とした。

こうしたことからわかるのは、中国の決済機関が努力を重ねてきたこと、そして海外進出では引き続き課題に直面しているということだ。賀教授は、「国際決済基準は長らくビザやマスターなど西側のカードブランドに独占され、世界の銀行も企業もこの『西側基準』に従わなければならなかった。中国と西側と2種類の基準を共存させることは技術的に難しく、西側の基準が主流になれば、中国はモバイル決済の基準制定でも発言権を失うリスクに直面する」と指摘。王氏はさらに踏み込んで、「金融に対する各国の管理コントロールは厳格で、ユーザーの利用習慣も一律ではない。こうしたことがいずれも中国のモバイル決済が海外進出で直面する難問になる可能性がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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