日本のモバイルゲームに頼って成長したビリビリ動画が米国で上場へ、ライバルはYouTube!?―中国メディア

人民網日本語版    2018年3月8日(木) 20時10分

拡大

中国の動画共有サイト・ビリビリ動画が米国での新規株式公開(IPO)に向けて4億ドル(約425億円)を調達し、米国東部現地時間2日、IPOの申請を提出した。

中国の動画共有サイト・ビリビリ動画が米国での新規株式公開(IPO)に向けて4億ドル(約425億円)を調達し、米国東部現地時間2日、IPOの申請を提出した。証券日報が伝えた。

新株発行の目論見書によると、2017年末の時点で、ビリビリ動画のユーザーの81.7%は1990〜2009年に生まれた「ジェネレーションZ(Z世代)」の若者だ。17年、ビリビリ動画の毎月のアクティブユーザーは平均7180万人、ユーザーの1日当たりの利用時間は76.3分、毎月イベントに参加しているアクティブユーザーは平均1520万人、サイト上での交流回数は毎月2億2100回に達している。

ビリビリ動画は若者をつなぐ場所と言うことができ、若者が多く、アニメ作品が集まり、リピーターが多いなどの特徴がある。著作権が守られていないという問題が指摘されたことがあったものの、モバイルゲームや広告などの運営を通して、ビリビリ動画は、世界の二次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)関連のサイトの中でも高い人気を誇るサイトとなっている。

■17年の売上高は24億6800万元

新株発行の目論見書によると、ここ3年、特に17年、ビリビリ動画は売り上げをかなり伸ばしており、各分野の赤字も縮小傾向にある。

具体的には、ビリビリ動画の収入源は、▽モバイルゲーム▽広告▽ライブ配信▽その他――の4つで、うち、モバイルゲームが最も重要な収入源となっている。15年、モバイルゲームの売り上げは全体の65.7%を占める8612万3000元(約14億6400万円)で、16年は全体の65.4%を占める3億4200万元(約58億1400万円)、17年は全体の83.4%を占める20億5800万元(約349億8600万円)となっている。

ビリビリ動画は主にモバイルゲームの売り上げに頼って運営を続けていることに疑問の余地はない。現在、ビリビリ動画のモバイルゲーム業務は、国外のモバイルゲームの中国における代理権がほとんどだ。昨年末の時点で、ビリビリ動画はモバイルゲーム8種類を独立して代理、発信し、63種類を連合で発信しており、有料のサービスを利用するユーザーは前年比140%増の60万9300人に達した。

現在、ビリビリ動画は主にモバイルゲームを通して利益を上げており、中でも日本のモバイルゲーム「Fate/Grand Order」の代理配信による売り上げがモバイルゲームによる総売上の72%を占めていることは注目に値する。

一般的な動画配信サイトと違い、ビリビリ動画は今後もモバイルゲームに頼って利益を上げていくのだろうか?

ビリビリ動画のモバイルゲームの分野における野心は、代理配信にとどまらず、多額の資金を必要とする分野にも伸びていることは間違いない。新株発行の目論見書によると、17年8月、ビリビリ動画は、新しいモバイルゲームの自主開発をスタートさせてほか、同年12月末、エレクトロニック・スポーツ専門の「Bilibili Gaming」(BLG)を立ち上げることを発表した。

■残りのライバルはYouTubeだけ?アップロード者が多額の報酬得られるかが鍵

二次元は、中国の娯楽市場においてなかなか「主流」の地位を固めることはできていない。そんな中、過去数年、ビリビリ動画は、モバイルゲーム、ライブ配信、会員、広告などを含む、商業化を慎重に進めてきた。以前から目玉としている二次元の分野において、ユーザーの創作物をアップできる動画コーナーもあり、人気を博している。

ビリビリ動画のライバルは、中国の動画共有サイトAcFun(エーシーファン)でもなければ、日本のニコニコ動画でもなく、YouTubeであるとの声もある。新株発行の目論見書によると、ビリビリ動画の運営に必要となる主なコストは、利益配分、コンテンツ、人件費、インターネットサーバーなどだ。

ビリビリ動画の利益配分は急増しており、15年の1793万2000元(約3億484万円)から、17年には9億2000万元(約156億4000万円)に増えた。その総コストに占める割合も、5.9%から48.3%に上昇した。一方、コンテンツにかかるコストが全体に占める割合は15年の15.2%(4614万5000元)から、17年には13.6%(2億6200万元)に低下した。

ある証券アナリストは、「利益配分が大幅に増加していることは、ビリビリ動画が配信者に多くの報酬を渡しているということ。一方、ユーチューバーへの利益配分が多く、投げ銭機能もあることが、YouTubeが人気を誇る主な理由となっている。ビリビリ動画にも、YouTubeのようになれるポテンシャルはあるが、YouTubeとはまだ大きな差がある。YouTubeのユーザーは若者だけでなく、さまざまな年齢層の人に人気があり、ユーザーの趣味などは非常にバラエティーに富んでいる。また、YouTubeの広告収入も安定しており、YouTubeの利益に影響を与えずに、配信者に多くの報酬を配分することができる。ビリビリ動画が一部の人ではなく、すべての人の間で人気を博するようになるには、まだ非常に長い道のりを要する」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携