中国で日本のアプリが大ヒット、「孤独」が新たな経済分野の誕生促す―中国メディア

人民網日本語版    2018年3月2日(金) 9時40分

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技術により孤独を楽しむことが容易になって、従来のソーシャルネットワーキングサービスのモデルが徐々に変化している。写真は中国で大ヒット中の日本のアプリ「旅かえる」。

技術により孤独を楽しむことが容易になって、従来のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のモデルが徐々に変化している。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、大勢の若者に当たり前にある「一人で寂しい」という感情が、新しい経済分野の誕生を促しつつある。たとえば最近アップル社のアップストアの無料ダウンロードゲームランキングで1位になった「旅かえる」がある。別の人気ゲーム「恋と制作人」は「旅かえる」と似たところがあり、2018年1月に女性に人気の携帯ゲームランキングに登場した。科技日報が伝えた。

今や携帯電話やSNSなどを通じて人々はより密接につながるようになったが、従来のSNSモデルに徐々に変化が生じている。スマートフォンは若い人々の必需品で、微信(WeChat)などのプラットフォームでは、絶えずさまざまな分野の友人たちと会話し活動し楽しむという世界の中で他人と混じり合い、交流し、常に追いかけ続ける情報のフローが形成されている。

調査会社パッケージドファクツが行った大規模調査の結果わかったのは、シングルの人はインターネットが余暇時間の過ごし方を変えたと考える傾向が強く、彼らはしばしば深夜までネットをしていたり、ネットをしていて睡眠時間が短くなったりしているが、いつも家に引きこもっているわけではないということだった。「新技術と社会の断絶」の研究によると、ネットとSNSのヘビーユーザーは他のクラスターよりも交際範囲が多彩で幅広いという。

専門家の蒋堅(ジアン・ジエン)氏によると、「こうしたゲームが人気を集めた重要な要因として、若い人々が人とのつながりを面倒くさく感じ、一人で過ごしているという現状に合致したことがある。現在の空の巣青年はもはや一つの社会現象であり、彼らは一方では現実社会の社交活動に対する反発心があり、これには結婚して子どもを産み育てることの拒否も含まれる。また一方では社交活動に対する一定のニーズもある。こうしたニーズがどのように出口を見いだすかといえば、ゲームが最適解だ。子どもを育てようとは思わない人はカエルを育てて、母性愛を満たす。恋愛が面倒くさい人はゲームで恋をして、乙女心を満足させるのだ」という。

浙江大学で革新(イノベーション)と企業家の心理を研究するマーク・グリーブン准教授は、「私たちは技術が後押しする次のような現象を目にするかもしれない。中国の若い人、とりわけミレニアル世代が、上の世代よりも個人的な体験や自分にふさわしいサービスを追求する姿は、他国の同年配の若者と同じであるという現象だ」と述べる。

データをみると、17年の中国の携帯電話によるモバイルゲーム産業の売上高は180億ドル(約1兆9237億円)に迫り、15年の2倍以上になった。今や中国は世界最大のモバイルゲーム市場で、世界の売上高全体の約3分の1を占める。モバイルゲームの見通しと試算が高く評価されていることは間違いない。ただ「旅かえる」や「恋と制作人」などの人気ゲームの登場後、柳の下の二匹目のドジョウが次の人気投資先になり得るかどうかに、人々はより大きな関心を寄せている。

この点について、上海のプロ投資家の余群(ユー・チュン)さんは、「そうはならない。少なくとも今後しばらくは次の重点投資分野にならない。こうしたゲームは収益モデルがはっきりせず、プレイヤーが広告をみたり、能力を高めるためにアイテムを購入したりするとはいうが、最も収益を上げているゲームと比較すると大きな開きがある」と述べる。

余さんは続けて、「また投資家が懸念するのはユーザーの持続性だ。今はカエルを育てる、恋愛するのが人気だが、いつまで続くのか誰にもわからない。こうしたゲームは非常に簡単で単純なことから人気が出たが、簡単でシンプルすぎるので、初めの頃の情熱を保つことは難しい」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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