大ヒットのブロックチェーンは新たな投資チャンスを生み出すか?

人民網日本語版    2018年2月27日(火) 22時10分

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最近、仮想通貨ビットコインに関するニュースをよく目にする。それにともなってブロックチェーンも話題になり、各方面で高い関心を呼び起こしている。

最近、仮想通貨ビットコインに関するニュースをよく目にする。それにともなってブロックチェーンも話題になり、各方面で高い関心を呼び起こしている。人民日報が伝えた。

▽ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは管理者のいない分散型の台帳式データベースを指す。管理者がおらず、データが書き込まれたブロックが世界中で同時にコピーされるため、情報の透明性が高く改ざんが困難という特徴を備える。

中国交通銀行金融研究センターの何飛シニア研究員がわかりやすく説明してくれた。「簡単に言えば、ブロックチェーンは管理者のいない分散型の台帳式データベースだ。管理者がいないので、これまでの誰かが管理するスタイルとは異なるものになる。ここには中心になる管理者が存在せず、言い換えれば参加するすべての人が管理者になる。分散型の台帳式データベースとは、つまり書き込むにあたり台帳式のデータを各ブロックに保存し、各ブロックには世界中の台帳のデータが同時にコピーされ、情報が共有されるというものだ。またブロックチェーンには管理者がいない、情報の透明性が高いといった特徴がある」。

ブロックチェーンの話になると、ビットコインを連想する人は多く、ブロックチェーンとビットコインが同じものだと考える人もいる。何氏は、「ビットコインはブロックチェーンの活用例の一つだが、ブロックチェーンとビットコインは同じものではない。ブロックチェーンはビットコインを支える技術であり、基礎的な仕組みだ。ビットコインはブロックチェーンの応用の成功例の一つであり、ブロックチェーンがビットコインでしか応用できないということではない」と説明した。

▽ブロックチェーンは何に使える?

ブロックチェーンは金融、福祉事業、監督管理、ニセモノ摘発など多くの分野の問題点や難点を解決してくれるが、利用にあたってさまざまな条件がある。

金融サービスはブロックチェーン技術の1番目の応用分野だ。ブロックチェーン技術を応用して決済、資産管理、証券などさまざまな分野の問題点を解決することが可能になった。

決済分野の場合はこうだ。金融機関の間では、特に国境を越えて業務を行う金融機関の間ではチェック、清算、決済にかかるコストが大きく、人による手続きのプロセスも多いため、利用サイドと金融機関のバックヤード業務サイドなどに高額の経費が発生するだけでなく、少額の決済業務の取り扱いが難しいという問題もあった。ブロックチェーン技術の応用により金融機関同士のチェックやトラブル解決にかかるコストが下がり、決済業務の処理の効率が大幅に向上することになった。またブロックチェーン技術は決済分野にコストと効率の優位性をもたらし、金融機関はこれまでコスト面で取り扱いの難しかった少額の越境決済を扱えるようになり、金融包摂の実現にプラスになった。

ブロックチェーンは公共事業の分野でもいろんなことができる。アントフィナンシャルサービスグループ初のブロックチェーン応用シーンは福祉事業で、聴覚障害児のための寄付集めに協力し、その後、ブロックチェーン技術の運用による福祉事業の開放性と透明性の向上を促進した。同グループ技術実験室の高級商品に詳しい胡丹青氏は、「ブロックチェーンの福祉事業プラットフォームはインターネット上に送金専門の郵便局を設立したようなものだ。ユーザーからの寄付は1件1件がすべて一つの『宅配便』にまとめられ、この『宅配便』はブロックチェーンのプラットフォームを通じて運ばれ、ブロックを通過するごとに消印が押されて、最終的に受取人の手元に届くようになっている。こうしてすべての寄付の動きの透明性、追跡可能性が保証されると同時に、改ざんは困難になる」と述べた。

商品のニセモノ摘発でもいろいろなことができる。胡氏は、「アントフィナンシャルサービスグループはブロックチェーンの技術を正規の商品の追跡に応用している。すでにオーストラリアやニュージーランドから海外通販で輸入された粉ミルクなどの商品の一部は、支付宝(アリペイ)でスキャンすると正規品でなければわかるようになっている」と述べた。

金融の監督管理でも重要な役割を担う。金融ブロックチェーン協力連盟(深セン)が2017年に発表した「金融ブロックチェーン基盤プラットフォームFISCO BCOS白書」では、「ブロックチェーンは金融監督管理機関に一致した、会計監査を容易にするデータを提供したのであり、機関の間で行われるブロックチェーンのデータ分析を通じて、これまでの会計監査プロセスよりも速くて正確な金融業務の監督管理が可能になる。たとえば反マネーロンダリングのシーンで、口座ごとの残高記録や取引記録が追跡可能になり、すべての取引のすべての段階が監督管理の目から逃れられなくなり、反マネーロンダリングの取り組みを大幅にパワーアップさせた」との見方が示された。

業界関係者は、「ブロックチェーン1.0は主にデジタル通貨を対象にし、ブロックチェーン2.0は主にスマートコントラクトを対象にし、金融市場での応用が可能になった。ブロックチェーン3.0は応用シーンがさらに広がり、『ブロックチェーン時代』に突入する可能性もある」と話す。

何氏は、「ブロックチェーンは確かにさまざまな分野の問題点や難点を解決してくれるが、万能ではなく、利用にあたり多くの条件がある」と指摘した。

たとえばブロックチェーン技術のもつ管理者がいないという特徴は大勢の人が関与する場面には適切なものだが、単独で関与する場合や、関与するのが二者にとどまる場合にはそれほど大きな価値をもたない。またすべてのブロックをチェックしなければならないので、ブロックチェーンは速いペースで頻繁に取引が繰り返されるような場面にはふさわしくない。

加えて、ブロックチェーンが強調するのはオープンさと透明性であり、データのプライバシー保護が特に必要なシーンでの利用は適切でない。

▽ブロックチェーンは新たな突破口になるか?

ブロックチェーンは技術がまだ十分に成熟していないため、概念株の投機行為には警戒が必要だ。特に技術革新(イノベーション)や資金集めの革新とは区別する必要があり、ブロックチェーンのためのブロックチェーンになってはならない。

胡氏は、「今、ブロックチェーンが熱いが、ごく初期の段階にあるものだということを忘れてはならない。ブロックチェーンの概念には目下、『虚熱』が出ており、技術によって現実の問題を解決することに熱を入れるのではなく、資金集めや投機行為に熱が入り、特に盛んに行われるICO(仮想通貨の新規公開による資金調達)の大部分は資金集めのツールの革新であって、技術革新とは何の関係もない」と注意を促す。

ブロックチェーン技術が大きな価値を生み出せることは確かだが、軽視できないリスクもある。

何氏は、「ブロックチェーン技術はまだ成熟しておらず、応用シーンには限界があり、資本市場での概念株の投機行為には特に警戒が必要だ。ブロックチェーンのブームの背後には、残念ながら投機行為をしようと手ぐすねを引いて待っている一連の企業があり、こうした企業はちゃんとした業務を行うことはなく、資本市場で一儲けしたらずらかろうと考えている。そうして「悪貨が良貨を駆逐する」ようになり、きちんと業務を行おうとする企業が市場から撤退することになり、ブロックチェーン技術の応用にマイナス影響を与えることを防がなければならない。

これからブロックチェーン技術をよりよく普及推進し、利用するには、インフラを引き続き充実させ、関連の法律や政策の制定を強化することなどが必要だ。(編集KS)

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