<特集>中国・韓国の国交回復秘話(3)

Record China    2007年2月16日(金) 12時25分

拡大

北朝鮮の金永南外相はその後北朝鮮最高人民会議常任委員会委員長に就任した。写真は平壌。

中国と北朝鮮を巡って、また新しい動きがあった。北朝鮮と韓国が国連に加盟したことである。

金日成主席の念頭には、常に南北統一のことがある。世界最大の国際政府機関である国連には独立した国しか加盟できない。しかし朝鮮半島が北と南に分裂したまま独立国だと認められ、北朝鮮と韓国が個別に国連に加盟することには反対だった。だが当時、国連内部には、韓国を国連に加盟させる動きがあった。

1991年5月、中国の李鵬総理は北朝鮮を訪問した。この時、当時の韓国大統領・盧 泰愚氏が「国連大会で韓国がもし加盟することができたら、北朝鮮が加盟することは難しくなる」と述べたことを、李鵬総理は北側に伝えた。また、中国だけが韓国加盟に反対するわけにもいかない、ということも伝えている。

北朝鮮はその時、即答することは避けた。李鵬総理は帰国する前に、金日成国家主席と会談したが、この時に、金日成主席は李鵬総理に、この問題について北は中国に協力していくことを約束したという。李鵬総理が中国へ戻った後、北朝鮮はすぐマスメディアを通じて「北朝鮮は、国連に、韓国と同時加盟することを、反対しない」と発表した。

その後、6月17日〜22日の間、当時の中国外相銭其※(王ヘンに深のツクリ)は北朝鮮を訪問した。銭氏の回想録によると、(そのあと銭氏は金日成とも会談しているが)、北朝鮮の金永南外相(現在北朝鮮最高人民会議常任委員会委員長)は、中国外相との会談で「北朝鮮は、韓国が単独で国連に加盟することに反対している。そのため、北朝鮮も積極的に国連に加盟することを申し入れる。韓国と一緒に国連加盟を目指すが、もし、アメリカが、北朝鮮の加盟に反対するのであれば、中国も韓国の加盟に反対するように訴えほしい」と述べたという。その会談のあと、金日成主席も、妙香山で中国外相と会談。金日成主席は「北と韓国が国連に加盟する事に関しては、一つの議論の中の題材としてあげてほしい。もし別々の議題となるならば、アメリカは必ず北に対して、核問題の批判をしてくるので、そうなると北朝鮮は立場がさらに悪くなる。そうはならないように、同時に国連に加盟したい」と語った。

1991年9月17日、国連大会において、北朝鮮と韓国は同時に加盟した。韓国は国連加盟を受け「今後、中国と韓国間の国交が回復することも、視野に見えてきた」と述べた。1992年3月、中国の全国人民代表大会期間中に、中国外交部が行なった記者発表会の席上、外国のジャーナリストによる「中国と韓国の関係に変化はありますか」という質問に対しこう答えている。「中国、韓国の国交回復には、まだ具体的な話はありません」と。中国の今までの受け答えならば「中国の立場はかわりありません、中国政府と韓国政府の間の接触はない」という内容だったろう。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携