南国リゾート・三亜から北京の航空券が34万円にまで高騰、帰るに帰れない観光客―中国

人民網日本語版    2018年2月23日(金) 18時10分

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春節(旧正月)連休明けの出勤日となった22日、予定通りに出勤できなかった人々がいる。海南島に足止めされたからだ。

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春節(旧正月)連休明けの出勤日となった22日、予定通りに出勤できなかった人々がいる。海南島に足止めされたからだ。

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連休最終日となった旧暦正月6日(2月21日)、中国各地はUターンラッシュのピークを迎えた。しかし、海南島で春節休暇を過ごした観光客たちにとって、その帰路は決して順調と言えるものではなかった。

18日から各メディアは次々と海南島発の航空券の売り切れ続出やその価格が1万元(約17万円)を超えるといったニュースを報じ始めた。こうした高騰して法外な値のついた航空券は、飛行機で海南島を訪れる多くの観光客を尻込みさせている。

さらに災いは重なるもので、ここ数日間続いた濃霧のため、海口の秀英港と新海港、南港の3港では、不定期な欠航が相次いで発生し、マイカー旅行において避けては通れないこれら3つの港には、足止めされたマイカー観光客が大量にあふれかえることとなった。天気が回復するにつれ、20日には3つの港はいずれもその航行が通常通り回復している。

ネットユーザーからは、「海南島を旅行できるのは『土豪(金遣いが荒く品のない金持ち)』ばかり。海南島は、一度来たら帰りたくなくなる場所から、一度行ったら帰れない場所となってしまった」という冗談交じりのコメントが寄せられている。

■供給不足で航空券が法外な価格に

中国旅行社協会および途牛や艾威といった旅行関連メディア・機関が発表した「2018年春節長期休暇観光すう勢報告」によると、海南島は春節における国内人気旅行目的地トップ10の首位に輝いた。日ごとに増える観光客数も数量に限りのある航空券の価格高騰を招く原因となっている。

21日、オンライン旅行アプリ「Qunar」における22日の三亜発北京行き航空券の価格は2万元(約34万円)を突破、平日価格(1500元)の十数倍にまで跳ね上がっている。だが、高値の航空券であっても、決して時間が短縮されているという訳ではない。ウルムチ経由で、その所要時間はなんと19時間50分。これは、北京−ロサンゼルス直行便の所要時間より長く、海外旅行の飛行時間に匹敵する。

北京のみならず、三亜から上海広州深センなど各地に向かう航空券もいずれも高値となっている。海南島リゾート旅行の天国といわれる海口もこうした現状を免れず、23日の海口発北京行きの航空券価格は1万5000元(約25万5000円)にまで高騰している。

春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制である「春運」期間中の航空券価格がこれほど高いのは理に適っていると言えるのだろうか?南海網の報道によると、南方航空と海南航空の2社はこの件について、「海南島は春運期間中の人気目的地であることから、航空券は需要が供給に追いつかない状況にあり、価格高騰は自然の流れと言わざるを得ない。しかしその価格アップは国の法律法規が定める範囲を超えてはいない。さらに、海南島は島という地形から交通が非常に不便であり、空港のキャパシティにもかなり限界がある。海を渡る船舶は、持続的・効率的な輸送を継続することが難しいため、需要供給のアンバランスがさらに目立つことになる」と説明している。

■「渡り鳥式」休暇の問題点明らかに

熱帯のような常に温暖な気候に魅せられ、あるいは海南島独特の美しい熱帯の風景に魅せられ、春節連休やゴールデンウィークには毎年全国各地から大勢の観光客がこの「熱帯の天国」を目指して集まってくる。しかし現在、このような「渡り鳥式」休暇旅行の問題点も次第に明らかになってきている。

島内の観光客が島から出ていけないだけでなく、島内の住民たちも「切符1枚さえ入手困難」という事態に陥っているのだ。

海南島在住のある微信(Wechat)ユーザーは、「島を出る切符はずっと前に売り切れた。普段の秩序ある仕事や生活のリズムが、遊びにきた金持ちの観光客によって、完全に乱されている」と訴えた。また、「切符が本当に取れない。帰省して年越しの宴を囲むことすら難しい」とこぼす海南島出身者もいる。

観光客が日ごとに増える海南島の旅行ブームに対し、ネットユーザーの意見はほぼ2つに分かれている。まず「観光客が来なければ、海南島は観光都市ではなくなる」という意見で、もう一つは「観光客が海南島の都市としての質を下げている」という意見だ。

法外な航空券価格をめぐる論争はまだしばらくは続く見込みだ。だが、足止めされている観光客にとって、乗継無しの航空便を選ぼうとした場合、直行便に乗れるのは最速でも2月25日となっており、休暇明けの出勤日となっている22日から3日後となっているのが現状だ。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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