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<コラム>安全で環境にやさしいと注目の「電子爆竹」、劣悪な製品多く爆発の可能性も否定できず

配信日時:2018年2月24日(土) 1時50分
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中国人にとって爆竹や花火は旧正月の年越しに欠かせなかった。ところが現在は、安全性などを理由として規制が厳しくなっている。そこで注目されているのが「電子爆竹」だ。ところがこの電子爆竹も安全性に問題があるという。写真は爆竹や花火の使用禁止の貼り紙。

中国人、この場合は特に漢族を指すが、彼らは「楽しい時、めでたい時は賑やかに」という発想の強い人々であるようだ。そんな彼らにとって、春節(旧正月、2018年は2月16日、19年は2月5日)の際の爆竹や花火は、めでたさを実感するための重要な小道具でありつづけてきた。

▼年越しの風物詩の「爆竹」、最近では弊害が重視され規制強化

しかし最近は、爆竹類の安全性の問題や、有毒ガスや微粒子による大気汚染の影響、さらにごみの問題などで、問題視する意見も強まりつつある。大都市ではすでに、爆竹や花火を楽しんでよい地域や時間帯に厳しい制限を設けられており、当局は厳しく監視している。

21日付新華社電によると、北京市は、旧暦1月1日から5日(2月16−20日)までに発生した爆竹や花火による火災は前年同期比73%減の17件、負傷者は30人減の30人だったと発表した。また、禁止区域に指定されている環状道路の五環路内での火災や人身事故は発生していないという。

それ以外の都市でも、爆竹や花火の燃えがらの発生が大幅に減少したなどのニュースが伝えられている。いずれも規制強化の現われだ。つまり「爆竹ファン」には厳しい時代が到来しているわけだ。

▼新登場の「電子爆竹」、安全性や環境負荷の低さなどで注目

そんな中で、注目されている商品が「電子爆竹」だ。中国語では「電子鞭炮(ディエンズー・ビィエンパオ)」と呼んでいる。中国では多くの爆竹の導火線を編んで、その端に点火する方法が一般的だ。それぞれの爆竹に向けて火が走り、連続して爆発する。これを「鞭炮」と呼ぶ。「電子鞭炮」は電子/電気装置を使って、爆竹の音と光を再現する機器だ。

よい点はいくつも紹介されている。火を使わないので安全性が高い。大気汚染の原因にもならない。また、本物の爆竹よりも相当に安価だ。ネットショップでも多くの種類の商品が売られている。電子爆竹は、にぎやかに年越しをしたいという人々の「爆竹願望」と時代の要請を両立させられる商品だった。

▼人民日報が指摘、電子爆竹には大きなリスクが

ところが、電子爆竹への関心に水を差すような記事が発表された。人民日報が18日、「電子爆竹にはリスクがある」とする記事を発表したのだ。同系列のニュースサイトの人民網も20日、同じ記事を掲載した。

記事は電子爆竹について「一種の電気装置」と指摘。そのため、安全性の確保には厳密な設計や測定が求められる。ところが、新たに出現した商品であるため、国は電子爆竹の安全基準をまだ定めていない。業界参入も比較的容易だ。製造業者の多くは中小企業で、安全性をそもそも軽視していたり、(安全性の意識があったとしても実際には)品質の保証が難しい状態という。

▼上海市当局が調査、電子爆竹の多くが基礎的な安全項目を満たさず

記事によると、上海市質量技術監督局(品質技術監督局)が電子爆竹の品質を調べたところ、市場に出回っている多くの商品が、基礎的な安全項目を満たしていなかった。そのため、多くの電子爆竹には想定外の電流が流れるなどで過熱して火を噴き出すリスクが存在する。

記事は直接触れていないが、中国で電子製品の事故として注目されているのが携帯電話の電池の爆発だ。個別の原因は異なるが、基本的には電池部分が大電流のために過熱し、内部圧力が高まって発生する事故だ。電池関連では、中国では多くの人が利用する電動自転車の電池の爆発も、しばしば発生している。電子爆竹も電池を備えている。そのため、電池爆発の可能性を完全に否定することはできないことになる。

記事は、電子爆竹を特に好むのは未成年と指摘。未成年は安全意識が乏しいため、劣悪な電子爆竹を入手した場合に、大きな事故が発生する可能性が高まると指摘した。記事はさらに、「保護者はできるだけ、未成年に電子爆竹で遊ばせないようにしていただきたい」と注意を喚起した。

中国人は平均的に言って、ビジネスに対して強い熱意を持っている。「人より先に動いた方が断然有利」との考えも強い。発想を得た場合の実行力も抜群だ。そのため、「電子爆竹」のような消費者のニーズに応えるアイデア商品がまたたくまに市場にあふれることも珍しくない。

その一方で、品質問題や多くの人が新たな発想の商品を使い始めたことによる弊害も、またたくまに拡大することもしばしばある。

■筆者プロフィール:如月隼人
日本では数学とその他の科学分野を勉強し、その後は北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは編集記者を稼業とするようになり、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。同時に、経済記事や政治記事、解説記事などにも注力。

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