<中国の医療改革(2)>巨大市場狙い海外投資家が競う―静岡大で共同研究、日本医療へ逆輸入も

Record China    2011年12月22日(木) 13時54分

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中国政府は、多元的な病院経営形態を導入するための政策を打ち出し、民間からの医療機関への投資を呼び込もうと計画、医療への外資参入も奨励。巨大な中国医療分野へ参入しようと、日本など海外の医療グループや個人投資家はチャンスを狙っている。写真は南京鼓楼病院。

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中国政府は、多元的な病院経営形態を導入するための政策を打ち出し、民間からの医療機関への投資を呼び込もうと計画、医療への外資参入も奨励している。市場規模が巨大な中国医療分野への日本を含む世界の関心は急速に拡大、海外の大型医療グループや個人投資家はチャンスを狙っている。

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医療現場の構築・運営のコーディネーター業務を行っているダイナリンク(東京都新宿区)の呉寧・代表取締役は「中国の医療の現場は給料が仕事の実績に反映されなかったり、薬の流通管理が非効率だったり、問題点が山積している。患者中心の医療現場の実現、医療従事者のリスク軽減が至上命題だ」と指摘。2012年4月より国立大学法人・静岡大学などと中国医療現場をさらに改善するための研究を4〜5年かけて共同で推進する計画を明らかにした。

日本式のSPD(購入物品、滅菌再生物など病院内流通物品の管理供給一元化構想プラン)方式をはじめ、院内業務の運用を中国向けに大胆にアレンジする計画で、2012年春には日本の経営工学会や経営情報学会などで、南京大学付属鼓楼病院の運営研究成果を発表する予定だ。

一方、日本の医療も課題が山積。学閥が残るほか閉鎖的な慣行も数多い。呉代表取締役は「中国は日本よりは解決に向けて動き出したらそのスピードは速い。日本発祥の仕組みを海外中国で導入、発展させ、日本に逆輸入する計画もある」と言明。「日本は海外の動きに敏感で、医療でも中国での改革事例に興味を示し導入する可能性が大きい」としている。

鼓楼病院の業務実態を把握するため、同病院の看護師1200人を対象とした職場アンケート調査を実施したところ、非能率な勤務の実態が浮かび上がった。さらに詳細を静岡大学で分析して今後の改革に役立てる方針。こうした取り組みは内外で応用が利くため、特定非営利活動法人日本医療情報ネットワーク協会(JAMINA)なども支援しており、動きが急拡大する見通しだ。

医療分野では従来、薬や器具の管理は複雑で相当の人手と時間を要している。新たなパッケージ処理を導入することにより手術でも準備、洗浄などが流れ作業で短時間にできるようになるという。呉代表は「中国の医療機関は人口に比例して数が多く、6千床という超大型病院もある。南京地区の病院をきっかけにこの取り組みを中国全土で広域的に展開したい。薬剤も一元管理することが可能になる」と意気込んでいる。(取材・編集/SK)

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