<中国の医療改革(1)>日本的な経営手法を大胆に導入、中国有力病院が「日中共同提案」を採用

Record China    2011年12月22日(木) 13時52分

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中国は急速な発展の陰で課題が山積しており、改革しなければならない点は数多い。特に医療分野は抜本的な解決が必要だ。外資にも参入の道が開かれつつあり、日本的な経営手法を用いて改革に乗り出そうという動きも活発化している。写真は呉寧ダイナリンク代表取締役。

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中国は急速な発展の陰で課題が山積しており、改革しなければならない点は数多い。その一つが医療問題だ。日本の人口の10倍以上の14億人近い人口を有しやがて高齢化時代を迎える中国では、その抜本的な解決が求められている。外資にも参入の道が開かれつつあり、日本的な経営手法を用いて改革に乗り出そうという動きも活発化している。

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中国政府は2009年に第2次医療改革をスタートさせ、公立病院経営の大胆な見直しに着手、外資の参入にも道を開いた。しかし、「これまでに改善されたのは薬の流通卸だけ」(中国医療関係者)とされる。中国全体の医療費は年々増大、薬品販売額は年20%のペースで伸びているが、医療の充実につながっていない。「中国人にとって病院に行くということは、朝5時ごろから出かけて並び、何時間も待って医師の少しばかりの診断を受けることだ」と患者の多くは不満をあらわにする。

中国の多くの大型病院では1日当たりの外来患者数が1万人にも達し、医療従事者の通常業務に深刻な影響が出ている。さらに、多くの人的エネルギーを医薬品の搬入搬出・在庫管理、病棟での業務申し送り、患者の介護などで取られ、医師、薬剤師と看護師は通常業務を終わらせるのが精一杯。品質やサービスを向上するための余裕はない。その結果として、医療現場ではミスやトラブルが多発している。

こうした中、中国江蘇省の「江蘇華軟聨合科技有限公司」が「患者と医療従事者に大きなメリットを与えるプロジェクト」を目標に、大胆な計画を立案、スタートさせた。2010年に、医療現場の構築・運営のコーディネーター業務を行っている「ダイナリンク」(東京都新宿区、呉寧代表取締役)と戦略パートナー契約を締結。日本の医薬物流方式をベースに、中国現場のニーズに合わせた業務設計を行ったうえで、日本製機器設備や業務システムなど初めてのオール日本式病院経営パッケージを提案した。

この提案を2011年10月から病床2000床以上、総職員約2700人の大型高度医療機関、南京大学付属鼓楼病院が採用、大きな成果を上げつつある。このほか複数の大型病院が順次実施する予定。医療現場という特殊な事情や閉鎖的な環境など様々なハードルを乗り越えることが可能になったという。

これにより中国の第2次医療改革は、ようやく初めて医療現場での変革事例を創り出したことになり、多くの同国医療関係者が期待している。中国指導層も「公立病院運営改革計画の着地が見えてきた」と江蘇華軟聨合科技有限公司の成功を評価している、という。(取材・編集/SK)

(<中国の医療改革(2)>に続く)

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