カラチョウザメの大量繁殖に初めて成功―中国

Record China    2011年12月16日(金) 9時5分

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15日、新華ネットの報道によると、中国三峡集団カラチョウザメ研究所はこのほど、人工繁殖したカラチョウザメの「2代目」約5万匹を繁殖させることに成功した。写真は11年11月、湖北省宜昌市。中国三峡集団カラチョウザメ研究所による放流の様子。

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2011年12月15日、新華ネットの報道によると、中国三峡集団カラチョウザメ研究所はこのほど、人工繁殖したカラチョウザメの「2代目」約5万匹を繁殖させることに成功した。完全人工繁殖させたカラチョウザメの数としては過去最多だという。同研究所が先ごろ明らかにした。

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カラチョウザメ研究所の楊元金副所長は次のように述べた。5万匹の「2代目」は10万個の「1代目」の受精卵を孵化させたものだ。「1代目」とは、野生のカラチョウザメの親を使って人工繁殖させ、飼育したカラチョウザメのことを指す。研究所の幼魚飼育水槽をみると、孵化したばかりのカラチョウザメはまだ完全に発育しておらず、外観はオタマジャクシのようで、群れをなして水中に漂っていた。体がやや大きく、外観が大人に近いものは円錐形に尖った口を持ち、5列の鱗に覆われ、元気いっぱいだった。

2009年、中国はカラチョウザメの完全人工繁殖に初めて成功したが、孵化数は最大で2万匹に満たなかった。楊副所長は、「これまでは大量の人工繁殖とはいえなかった。今回、5万匹にのぼる『2代目』の繁殖に成功したことは、中国のカラチョウザメの完全人工繁殖技術が成熟してきたことを意味する。この技術を利用して、カラチョウザメを保護することが可能になった」と述べた。研究者らは2代目のカラチョウザメに野生化訓練、強化飼育、海水順応テストなどを行う。来年4月には試験的な放流を行うという。今回人工繁殖させたカラチョウザメの孵化率は50%で、野生カラチョウザメの孵化率を上回った。野生での産卵は、場所・水流・周囲の卵を食べる魚の影響を受けるため、孵化率は一般的に30%前後だという。

カラチョウザメは中国固有の貴重な魚類で、地球上では数億年前から生息していた。世界に現存する魚類の中で最も原始的な種の一つで、国家1級保護動物に指定され、「生きた化石」と呼ばれる。生息数が極めて少ないため、「水中のパンダ」とも呼ばれている。

カラチョウザメ研究所の陳磊所長は次のように述べている。カラチョウザメの最も神秘的なところは、種としての特徴だ。「染色体が倍数体で、遺伝子情報量が多い。彼らはさまざまな環境の変化を経験しており、これまで生き延びてきたことで、非常に強い環境適応力を備えるようになった。真水でも海水でも生存することができ、成熟後は長江上流の金沙江にさかのぼって産卵する。1980年代に長江葛洲●(●=さんずいに「覇」)ダムが完成すると、カラチョウザメの金沙江への遡上ルートが遮断され、この貴重な水生動物の生存問題が世界の関心を集めた。1982年、中国は初めて国家1級保護動物であるカラチョウザメの専門研究機関を設立し、繁殖・飼育・放流の研究を開始した。これまでに、さまざまな大きさのカラチョウザメ500万匹近くを長江に放流している。

楊副所長は次のように述べた。科学者はこれまでに、カラチョウザメの産卵期間と場所、産卵に参加するグループの短期的な変化傾向などを明らかにしてきた。長期的な観測と研究により、カラチョウザメは葛洲●ダム下流域に固定した産卵場所を形成しつつあり、成熟したカラチョウザメが毎年、海からその場所に遡上している。

さらに、「しかし近年の研究によると、野生のカラチョウザメの個体数は減少しており、稚魚のオスとメスの割合が崩れている。カラチョウザメの完全人工繁殖技術が大きく進歩したことで、この問題を解決する技術的な環境は整った」と語った。

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