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世界各地の選手が韓国の平昌で開催される2018年冬季五輪に出場する準備を整えている。彼らはその体をシベリアからの寒風から守らなければならず、その選手のほとんどが氷点下約13度の屋外で戦わなければならない。
平昌冬季五輪の開会式で登場予定のラルフ・ローレンの自動発熱ジャケット(写真提供・Scientific American公式サイト)
世界各地の選手が韓国の平昌で開催される2018年冬季五輪に出場する準備を整えている。彼らはその体をシベリアからの寒風から守らなければならず、その選手のほとんどが氷点下約13度の屋外で戦わなければならない。極端な低温環境で選手の体を温めること、これはユニフォームをデザインする上でその難易度をあげることになっている。科技日報が伝えた。
◆ウェアラブル技術を搭載
ラルフ・ローレンは今回、米国代表の開会式・閉会式のユニフォームを提供している。同社のデヴィッド・ローレン氏は「低温への対策として、ウェアラブル技術を使用している」としている。
米国代表の赤・白・青の開会式のユニフォームには、銀とカーボンで作られた電子熱伝導金属インクスティックが入っている。これはおしゃれな電気毛布を身につけているようなもので、ただ電線の代わりに特殊インクを用いている。また閉会式に登場する白い防水ジャケットにも、同じ技術が使われている。
選手が超薄型リチウムイオン電池のボタンを押すと、ジャケットの自動保温機能が起動される。これをつけると、電子がシルバーインク内で活性化するが、カーボンパットに妨げられることで熱が発生する。このシステムの保温時間は11時間で、温度を3段階に調節できるという。
米国のボブスレー選手の保温性の高い新型ユニフォーム(写真提供・Scientific American公式サイト)
◆新型繊維で体温を保持
米国のボブスレー選手も、革新的なユニフォームを提供されている。選手は時速90マイル以上の速度で屋外のスライダーを下ることになるため、デザイナーはより一層暖かさを提供する必要に迫られる。
暖かさをもたらす新たなエネルギーは新型繊維技術より得られる。この技術で作られたウールのシャツには、セラミック剤と断熱材が使用されている。
このユニフォームのデザインを担当した企業の関係者は「肌に触れると体の放熱を吸収し、着用している人の体温を保持し続ける」としている。
◆体を冷やす風をより少なく
空気抵抗を減らし、体冷やす風をより少なくすることで、選手は体温を保持しやすくなる。そこでデザイナーはユニフォームの肩と上腕、背中に異なるハイテク繊維を使用することで、空気力学的な性能を高めている。
デザイナーは風洞でこのハイテク繊維の試験を実施。マネキンに100種類の異なる生地の服を着せて、空気抵抗実験を行った。「H1」と呼ばれる材料はナイロンとスパンデックスで作られており、独特な方法で織られている。そのため空気抵抗を下げるだけでなく、失われる熱も少なくすることができる。(編集YF)
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