6回にわたる対北朝鮮制裁の「例外」措置、五輪後の韓国の“外交的負担”に?=韓国ネットから不安の声

Record China    2018年2月10日(土) 15時0分

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9日、昨年末まで張り詰めていた国際社会の対北朝鮮制裁の超強硬ムードが、平昌五輪を前に相次いで「例外」が認められたことで和らいでいる。写真は北朝鮮代表団の訪韓を伝える韓国メディアの報道。

2018年2月9日、昨年末まで張り詰めていた国際社会の対北朝鮮制裁の超強硬ムードが、平昌五輪を前に相次いで「例外」が認められたことで和らいでいる。韓国政府の主要関係者からは「北朝鮮から人が来るたびに(制裁の)網の目が少しずつ広がっている」との声も出ているという。韓国・東亜日報が伝えた。

国連安全保障理事会傘下の対北朝鮮制裁委員会は8日(現地時間)、韓国政府からの要請を受け、北朝鮮高官代表団に含まれているチェ・フィ国家体育指導委員長に対する「渡航禁止」制裁を一時的に解除することを認めた。また、韓国政府は米国独自の制裁リストに含まれている金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹・与正(ヨ・ジョン)氏についても、米国に例外の認定を要請し肯定的な回答を得たという。

金正恩委員長が新年のあいさつで平昌五輪への参加の意思を明らかにしてからこれまで、北朝鮮は6回にわたり国際社会と米韓の対北朝鮮制裁の網を揺るがす、もしくはすり抜けることに成功した。

最初に問題となったのは、金剛山での文化公演に向け韓国が北朝鮮への軽油の提供を決めたこと。「国連安保理決議に反する行為」との指摘が出ていたが、結局は北朝鮮が一方的に公演中止を決定し事なきを得た。また、馬息嶺スキー場での合同練習に向けた韓国選手団を乗せたアシアナ航空機の訪朝も「北朝鮮を経由した航空機の米国への入国を180日間禁止する」という米国の行政命令に抵触するものだった。

さらに、万景峰号が韓国北東部、墨湖港に停泊し、韓国の海域に入港した際も制裁の例外措置を受けた。韓国政府自らが「北朝鮮船舶の韓国海域での運航禁止」を定めた5・24対北朝鮮制裁を解いたことになる。さらに、北朝鮮は同船舶に対する油類の支援も要請したが、これも国連安保理の対北朝鮮制裁に抵触するものだった。

こうした状況について、東亜日報は「平昌五輪という特殊な状況を考慮しても、国際社会の対北朝鮮制裁の流れに逆らうことは韓国政府に外交的負担を残すことになる」と指摘している。尹徳敏(ユ・ドクミン)前国立外交院長は「韓国が制裁を破り続けるなら、五輪後に国際社会の信頼をどう回復するかについても議論しなければならない」と述べた。

また、一部では「北朝鮮が国際社会の対北朝鮮制裁を崩すために試行錯誤していることは、制裁が金正恩体制にダメージを与えている証拠」との分析もある。そのため「五輪後に再び制裁を強化し、核交渉進展のきっかけにしよう」と主張する声も出ているという。

これについて、韓国のネットユーザーからは「そこまでして韓国に何の得がある?本当に情けなくて腹が立つ!」「制裁を無効化させるのに必死な文在寅(ムン・ジェイン)大統領はトランプ大統領に嫌われて当然。『制裁対象でない人を送れ』の一言がなぜ言えない?」「まるで北朝鮮の操り人形」など韓国政府に対する厳しい声が上がっている。

また「戦争が起きるかも」「五輪終了後に韓国は相応の対価を支払うことになるだろう」「こんな状態では北朝鮮体制を支援する中国に圧力をかけることなんてできない」「国の法も崩れ、世界の秩序も乱れた。今後の韓国が心配だ」などと不安がる声も。

一方で「五輪後により強力な制裁があるんだよね?国民は信じている」と擁護する声や、「韓国にとっては大きな利益になる」「韓国国民の一番の願いは朝鮮半島統一。一歩ずつ進んでいこう」と韓国政府の対応に肯定的な反応を示す声も見られた。(翻訳・編集/堂本

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