「中国画」に魅せられて20年学び続けるロシア人女性

人民網日本語版    2018年2月2日(金) 14時20分

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記者がユリヤ・ナウモバさんに初めて会ったのは、在ロシア中国大使館で開催されたロシア中国画芸術愛好者招待会だった。

記者がユリヤ・ナウモバさんに初めて会ったのは、在ロシア中国大使館で開催されたロシア中国画芸術愛好者招待会だった。そのとき、ユリヤさんが描いた長い水墨画作品に目を奪われた。川には一葉の軽舟が浮かび、岸には枯れた木と石があり、何ともいえない美しさがあった。さらに、そこには中国・北宋の文人・范仲淹の詩「江上漁者」も書かれていた。私は「外国人なのに、水墨画を描くのがなぜこんなに上手なのだろう?」と疑問に思い、彼女に興味を持った。人民日報が報じた。

「中国画とは運命の出会い」

中国文化に興味を持った理由について、ユリヤさんは、「多分運命なのだろう。子供の頃から、東洋の絵画が大好きで、挿し絵が美しい『アジアの童話』という本は今でも大事にとってある。その本では主に中国の童話が紹介されている。当時、図書館で見た中国関連の画像やアニメに魅了された。特に、アニメ『大暴れ孫悟空(原題:大鬧天宮)』(1961年)は印象深かった。80年代末、テレビ局に入社したユリヤさんは図書館で初めて斉白石や、徐悲鴻、呉昌碩などの中国美術界の巨匠の作品を見ることができ、とても気に入った」と説明した。

96年末にモスクワ中国伝統文化発展センターで開催された中国伝統工芸品展覧会の開幕式は、モスクワで大きな話題となり、押し寄せた大勢の観客の中にユリヤさんもいた。ユリヤさんは、清らかで美しい雰囲気ただよう中国の山水画や書道作品などに心を奪われた。その後、ユリヤさんは同センターの先生に書道を学ぶようになったが、学んでいくうちに、その意味が分からないならば、書けるようになっても意味はないことに気づいた。

中国に対する思いは募るばかりで、ユリヤさんは、中国山東省の臨沂師範学院(現在の山東臨沂師範大学)の美術学院で仕事をするための申請を行うという人生で最も大きな決断を下した。そして2005年、少しでもお金を節約するために、ユリヤさんは娘を連れてシベリアを走る国際列車に乗り、1週間かけてやっと中国に到着した。その後、臨沂で中国の学生にロシアの油絵を教える仕事を始め、仕事以外の時間は全て中国画の勉強にあてた。

「必要に駆られて教えながら学ぶ道に」

ユリヤさんが中国の絵画を学ぶようになってすでに20年。そしてロシア人にも中国絵画を15年教えてきた。そんなユリヤさんは、「必要に駆られて教えながら学ぶ道を歩み始めた。15年前、中国の絵画を習いたいという人が現れた。まだ教えられるほどのレベルではないと感じていたが、『教えられる範囲で教えてほしい』と言われたので、教えることにした」と説明した。

「ロシア人が中国の花や鳥、山、湖、川などを描くのは、とても難しい。例えば、牡丹や竹などは、ロシア人の多くが見たことがない。そのため、経済的に余裕がある学生は、私と中国に行って絵を描く。例えば、山水画が上手なユリアナさんは中国画の学習をしていた3年の間に中国に2度行った。外国人が中国画を勉強して、それなりの成果がほしければ、必ず中国に行って、実際のものを見て絵を描かなければならず、家に閉じこもって車を造っていてはならない」とユリヤさん。

情報伝達ツールが発展し、その手段も多様化している現在、ユリヤさんは、サイトを立ち上げたり、SNSのアカウントを開設したり、仲間と共にオンラインスクールを立ち上げたりするなど、様々な方法を採用して、中国絵画を教えている。その他、ユリヤさんはモスクワやサンクトペテルブルク、クラスノダール、さらに、リトアニアのリガに教室を開設し、定期的に訪問して中国画を教えている。

「中国に住んで中国画に一層打ち込む」

ユリヤさんは15年の間に、ロシア人100人以上に中国画を教えてきた。しかし、ずっと続いているのは約10人で、成果も出ているという。「私の一番の成果は、たくさんのロシア人に中国画を知ってもらえたこと。そして、中国画は決して簡単なアートではないことが分かった。一生懸命勉強しなければならず、その道に終わりはない」とユリヤさんは語った。

ユリヤさんと出会ったロシア中国画芸術愛好者招待会では、ユリヤさんのアトリエを筆頭とするロシアの13の絵画愛好者サークルの関係者が参加していた。特に、それらの絵画愛好者のほとんどは、ユリヤさんの教え子であったり、教え子の教え子であったりと、ユリヤさんと縁がある人だったことには驚かされた。ユリヤさんは取材に対して、「在ロシア中国大使館がそのような活動を企画できるということは、大使館が長年中国書画アートを伝える努力をしてきたことが認められたということ」と話した。

すでに50代のユリヤさんだが、ロシアの大学で中国画を教えたいなど、今でもたくさんの目標がある。また、中国で個展を開き、今まで中国画を教えてもらった全ての先生を招き、たくさんのことを無私の気持ちで教えてもらったこと、助けてもらったことを感謝するのが夢だという。(編集KN)

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