中国、インド、ASEANが世界成長エンジンに=2030年には世界GDPの3割占める―アジア開銀研シンポ

Record China    2011年12月9日(金) 7時18分

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アジア開発銀行研究所)はシンポジウムを東京で開催。ASEAN、中国、インドは2010〜2030年にGDPで年率7%の経済成長を達成、世界全体のGDPに占めるシェアは現在の15%から2030年には3割近くに倍増するとの見解で一致した。

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2011年11月30日、アジア開発銀行研究所は、「世界の新成長センターACI(ASEAN、中国、インド)と日本の進路」と題するシンポジウムを東京で開催した。日本、ASEAN諸国、中国、インドの代表が出席、このACI地域は2010〜2030年に国内総生産(GDP)で年率7%の経済成長を達成、世界全体のGDPに占めるシェアは現在の15%から2030年には約28%と3割近くに倍増する見通しで一致した。また、この地域のGDPは2030年に現在の4倍以上の33兆3000億ドルに拡大、1人当たりのGDPも約3倍の9165ドルに達するとの予測が打ち出された。

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アジア開発銀行研究所の河合正弘所長は「リーマンショックやギリシャショックを経て世界の経済成長センター、成長エンジンは米国や欧州から新興アジアに移りつつある」と言明、世界の調和のとれた発展のためにこの地域が最重要となるとの認識を示した。

その上で、(1)「中進国の罠」(一定の発展を遂げて低所得国から脱した ものの、価格競争力では開発途上国に劣り、技術力では先進国に及ばない状態)にはまらず先進国の仲間入りができるか、(2)国際的な緊張緩和を維持できるか、(3)食料価格の高騰を回避できるか、(4)エネルギー価格の上昇を防げるか、(5)所得格差など社会的分裂を招く要素を最小化し生活の向上を実現できるか―などが課題となると指摘した。

中国社会科学院世界政治経済研究所前所長の余永定氏は「中国経済は引き続き拡大傾向にあり、今後も年率8%程度の成長は達成できる」と指摘。世界の金融危機が中国に波及するとの見方は当たらないと強調した。その上で日本との関係に言及、「日中関係は経済的にも最も重要であり、中国はイノベーション力など多くのことを日本から謙虚に学ぶ必要がある。アジア地域が団結すれば米欧地域と対等になる」と語った。

インド・国際成長センター・ディレクターのスーマン・ベリー氏は「インドはルックイースト政策を取っており、中国との貿易も増大している。インドと中国の両国は世界で人口が最も多い大国であり、協力すれば次の世界経済成長への重要なエンジンとなり得る」と強調した。

クオンタムリーブ代表取締役の出井伸之氏(元ソニーCEO)は「日本は経済が低迷していると言われるが、東日本大震災からの復興に東北地方を中心に政府が資金を投入しており、今後はかなり上向く。増税も必要ない」とした上で、「日本は最も安定した国なので欧米のホットマネー(短期投資資金)が流入して円高になっている」と指摘。その資金を活用して東京湾岸に新しい都市を建設するなど大胆なプロジェクトを展開すべきだとの構想を提唱した。(取材・編集/SK)

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