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食事に行く前に、携帯電話のソフトウェアを開き、店を探し、注文する前にはネットユーザーの口コミを見る。多くの中国人にとってこうした食事の習慣はもう当たり前のことになっている。
食事に行く前に、携帯電話のソフトウェアを開き、店を探し、注文する前にはネットユーザーの口コミを見る。多くの中国人にとってこうした食事の習慣はもう当たり前のことになっている。人々がよりおいしいものを食べられるようにと、このほど中国の味を本当に代表する「黒真珠レストラン」が選ばれた。「2018年大衆点評が選ぶ黒真珠レストランの手引き」のことで、中国の伝統的飲食文化を基礎にしている。黒真珠とは真珠母貝1万5千枚にただ1つしか取れないとても貴重なもので、その鮮やかな光沢を出すには細心の注意が必要で、質の高いレストランと似たところがあることから、この名前がついた。この手引きはどのようにして作成されたのか。確かなものなのか。発表することにどんな意味があるのだろうか。「経済日報」が伝えた。
▽食べるべきリストがあるのに、なぜ新しい手引き?
ここ数年、「インターネットプラス飲食」が急速に発展し、大衆点評を代表とする携帯電話の生活サービスアプリが食事する場所の選択にさまざまな便利さをもたらしただけでなく、「もの食らう人々」がレストランや食品の質、特徴、価格を比較するためのプラットフォームを提供した。
大衆点評の親会社・美団点評の飲食関連データをみると、美団は現在、全国2800の県・市・区をカバーし、700万軒を超える飲食企業とつながっている。つまり、今回発表された黒真珠レストラン330軒は、この700万軒の中から選び抜かれたものということになり、競争の激しさがうかがえる。
注意深い人なら、大衆点評が昨年発表した「2017年大衆点評の食べるべきリスト」を覚えているはずだ。このリストがあるのに、なぜ今年また黒真珠レストランを発表したのだろうか。美団点評の張川シニア・バイスプレジデントの説明によると、「『2017年大衆点評の食べるべきリスト』は、美団点評が6億人のユーザー、2億件あまりのユーザーの本当の評価に基づいて発表したもので、中国で初めて大量のユーザーの実際の評価に基づいて作成されたグルメランキングだ。言い換えると、『食べるべきリスト』は味を最も重要な基準とし、専門家の評価チームは設けず、企業の意思を反映させることもなく、「おいしいものの真理とはたくさんの人々が舌で味わうもの」というモットーを真に体現したものだった。一方、黒真珠レストランの手引きは中国のグルメの基準を初めて打ち出し、調理のレベル、レストランの水準、伝承と革新という3つの角度から中国飲食文化の特色を備えたレストランの評価体系を初めて世に問うた。
具体的にいうと、調理のレベルとは一般的に食感、食材の組み合わせ、健康・養生、鮮度・香り・見せ方などに表れるものだ。レストランの水準とは食材の質、店の環境や雰囲気、サービス・管理、設備、食事をおいしくするアルコールのリストなど「形と工夫」で評価されるものだ。伝承と革新は中華飲食文化の「心と道」を称揚するもので、文化の伝承、革新の融合、匠の精神などを追求するものだ。
▽価格が高いほど選ばれ安いか?
価格は高くないが、品質と伝統を兼ね備えて黒真珠レストランに選ばれた店が25軒ある。とはいえ高級レストランの方がさまざまな角度で高評価を得やすいのは確かだ。
価格をみると、黒真珠レストランの一人あたり平均消費額は約677元(1元は約17.2円)に上り、500〜1千元が98軒で30%を占める。1千元以上は70軒で21%。この数字をみると、消費者の多くは、「『食べるべき』だって? 1軒でも無理!」と思うに違いない。
黒真珠レストランには「価格偏重」のきらいがあるのだろうか。中国烹飪協会がこのほど発表した「2017年度グルメ消費報告」によい参考例がある。消費者がレストランを選ぶ時、一番気にするのは「食事をする環境」で19.2%に上り、次が「料理の味」で17.8%、さらに「食品の安全性」が14.7%と続き、「価格」は4位だった。今や消費者の環境と料理の質への要求が価格を上回るようになったのだ。
張氏は、「価格は黒真珠レストランが考慮する唯一の基準ではない。黒真珠レストランの手引きがより重視するのはレストランそのものの質が高いかどうかだ。質の高いレストランは価格も高いことが多いが、だからといって一部の価格は高くないが質と伝統を兼ね備えた店を排除するようなことはしていない」と指摘した上で、「具体例を挙げると、2018年の黒真珠レストランの手引きの中で、平均消費額が100元以下の店が25軒あり、7%を占める。北京の軽食店『北新橋■(歯の米が※)老店』や陝西省の伝統的軽食の『秦▼(予に象)肉夾●(食へんに莫)』なども入っている」と述べた。(編集KS)