2018年1月31日、米華字メディア・多維新聞は、フィリピン海軍が日本から貸与されたTC90練習機で南シナ海・スカボロー礁（中国名・黄岩島）の偵察飛行を初めて行ったことについて「日本から贈られた航空機で中国を挑発」と伝えた。

フィリピン・北ルソン地区司令部のナト報道官は「尾翼番号390のTC90哨戒機が、31日午前9時ごろよりスカボロー礁海域上空、飛行高度約244メートルを約1時間飛行した。同機の飛行員は4隻の中国海洋警備船と5隻の中国船、4隻のフィリピン漁船を発見したが、海上の状況に異常はなかった」と発表した。フィリピン当局によると、飛行にあたり、中国側からの警告は受けなかったという。

記事は「23日にC295輸送機をスカボロー礁の偵察に用いたことで中国を不愉快にさせたフィリピン海軍が、今度は日本からもらった偵察機で同礁上空を偵察した」と紹介。また、TC90について「2016年2月に日本とフィリピンとの間で署名された防衛装備品・技術移転協定に基づき、日本政府が貸与したもの。貸与予定だった5機中2機がすでに昨年3月にリース済みで、同11月より就役している。残りの3機については無償譲渡することが決まり、今年第1四半期中に引き渡される予定」などと伝えている。（翻訳・編集/川尻）