アップルの株式格下げの原因とは?―中国メディア

人民網日本語版    2018年1月30日(火) 5時20分

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米国ウォール街の分析機関はこのほど、製品出荷量が予想を下回ったことを受けて、アップルの株式の投資判断を「バイ」(買い)から「ニュートラル」に引き下げた。写真は北京のアップルストア。

米国ウォール街の分析機関はこのほど、製品出荷量が予想を下回ったことを受けて、アップルの株式の投資判断を「バイ」(買い)から「ニュートラル」に引き下げた。株価も0.3%値下がりした。アップルにとって昨年12月19日に続く2回目の引き下げだ。科技日報が伝えた。

1カ月もたたないうちに判断がまた引き下げられたことは、「アップルらしくない」出来事だ。最近のアップルに関するニュースをじっくり振り返ると、ほとんど悪いニュースばかりだ。バッテリー問題、意図的減速の問題、携帯電話の売り上げが過去最低を更新…アップルの低迷を語ることは一連のメディアにとって「ポリティカルコレクトネス」になっており、「アップルはダメになった」などと言う人さえいる。

革新はこれまでのアップルで最も目を引く特徴だった。スマートフォンが大流行し始めた頃には、アップルに学ぶことが多くのスマホメーカーにとって「必修科目」だった。だが「iPhone5S」(アイフォーン5S)以降、アップルは私たちに喜びを与えてくれなくなった。続く「iPhone6」(アイフォーン6)、「iPhone7」(アイフォーン7)、「iPhone8」(アイフォーン8)、さらに熱い期待が寄せられた「iPhoneX」(アイフォーンテン)はどれも「革新が足りない」と言われ、ネットユーザーから「代わり映えしない」などと厳しく指摘された。

一方で、中国製携帯電話が技術や営業販売戦略の面で絶えず新しさや変化を求めている。華為(ファーウェイ)と小米(シャオミ)はチップの研究開発に着手し、独自の革新の達成に向けて重要な一歩を踏み出した。OVはオフラインルートの開拓に力を入れ、農村から都市へ拡大する戦略でトップブランドに成長した。

選択の多様化を前にして、消費はより理性的になっている。昨年に「アイフォーン8」が発売された時には、「アップルファン」の長い行列は出現せず、アップルストアの店先は閑散としていた。大手携帯電話ブランドの製品に機能で大差がなくなった今、消費者が価格の高い「アイフォーン」をわざわざ買うわけがない。

携帯電話だけではない。世界で素晴らしい業績を上げたアップルの決済サービス「アップルペイ」だが、中国では「ワーテルローの戦い」のような困難に直面している。中国決済サービス市場ではアップルがやって来るよりずっと前に、微信(WeChat)と支付宝(アリペイ)の両巨頭がそびえ立つ局面がすでに形成されており、アップルが設備量の多さをよりどころに攻撃をしかけようとしても、時すでに遅く、市場を揺り動かすことはできなかった。

かつての輝きを失ったアップルには変化の兆しがみえる。今月18日には、中国のユーザーによりよいサービスを提供するため、微信の公式アカウントを開通し、これによりユーザーは微信プラットフォームでアップル商品を買ったり、アフターサービスを受けたり、問い合わせしたりできるようになった。多くのアップルファンの言葉を借りると、「これまで雲の上の存在だったアップルが、ついに地上に降りてきた」のだという。

時代の流れは個人よりも強大だ。今は性能に頼って市場を制覇する「iPhoneの時代」ではない。アップルは新たな「スティーブ・ジョブズ式の革新」が生まれることを期待するより、位置取りを修正し、自ら市場に合わせていくべきだ。「合わせる」ことは恥ずかしいことではない。利益を上げることこそ企業にとって最大の正義であり、生き続けること、生き残ることが一番重要だ。

市場に合わせるのは第一歩にすぎない。技術面の優越感から脱却し、消費者のニーズを深く理解し、既存の市場での優位性を利用して、本当に中国に合った商品を作り出すこと、こうした掘り下げた思考の転換をはかることはより大きく困難な課題だといえる。

10年ほど前、ノキアが携帯電話市場のトップに君臨し、ノキアは市場シェアで1%にも満たないアップルなど歯牙にもかけなかった。その後の3年間に、栄枯盛衰の物語が演じられ、アップルは携帯電話の定義を新しくし、新たな覇者としてトップの座を奪い取った。

後から来た波が前の波を押し流していく。これは情報技術(IT)産業の発展における必然的な流れだといえる。消費者に未練はなく、自分たちのことを一番わかってくれる人を選ぶだけだ。アップルに残された時間はもうそれほど多くない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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