中国で不適切な「子ども向け動画」が物議、関係当局が確認と調査に乗り出す―中国メディア

人民網日本語版    2018年1月24日(水) 17時20分

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「不適切な子ども向け動画」をめぐる問題が、このところネットで人々の関心を集めている。資料写真。

「不適切な子ども向け動画」をめぐる問題が、このところネットで人々の関心を集めている。話題となっている動画は、エルサやスパイダーマン、ペッパピッグなど人気アニメのキャラクターを二次加工したもので、バイオレンスやホラー、ポルノといった有害なコンテンツに満ちあふれている。北京文化市場行政法律執行総隊は22日に緊急通知を出し、「不適切な子ども向け動画」に対する取り締まりを求め、不適切であると判断された関連コンテンツをすべてネット上から削除するよう求めた。

●北京市、「不適切な子ども向け動画」の緊急取り締まりをスタート

「通知」によると、各動画サイトは直ちに、アニメーションや子ども向けドラマ、コスプレドラマ、フィギュアドラマ、子ども向けゲーム解説動画などを含むあらゆる未成年者向け動画作品の内部調査を行い、不適切なコンテンツを発見した場合、すべて削除しなければならないとしている。

また、「通知」では、「各サーチエンジンは、『不適切な子ども向け動画』に相当する作品の名称をキーワードとする検索に対してフィルタリングを行い、関連ワードを改め、それらが未成年者に対して社会的危害を及ぼすことを強調する必要がある。例えば、『エルサ妊娠』や『スパイダーマンが愛するエルサ』などのワードが相当する」としている。

このほか、北京文化法律執行総隊は、ゲーム開発企業および運営企業各社に対し、上記のような「不適切な子ども向け動画」のコンテンツを含むネットゲームおよび関連商品を開発してはならず、このようなコンテンツを含むゲームについて直ちに公開を停止し、法律執行機関に報告を行うよう求めている。またいかなる企業も、「不適切な子ども向け動画」の人気に乗じてマーケティングを行ったり、悪意ある告発を行ってはならない。また、いかなる口実によっても、ウェブサイト上にこうしたゲームや動画のリンクを張ったり、推薦してはならないとしている。

●「不適切なアニメーション」に「教育」や「子ども」のタグ付け

ある文章でこのほど、海外の一部機関が、ユーチューブを視聴している子どもを対象に、子どもたちに人気のアニメキャラをバイオレンスやホラーに盗用している状況が指摘された。例えば、「アナと雪の女王」のエルサが縄で縛られたり、喉を割かれたり、頭蓋骨を開かれるといった内容やスパイダーマンが酔いつぶれて転倒するといった内容だ。さらには、子どもが主演するポルノ動画も数多く投稿されている。

ユーチューブは昨年11月、50以上の関連チャンネルにアップされた動画15万本を削除したと発表。しかし、海外のネット上で徐々に公開が禁じられているこれらの動画がすでにひそかに中国国内に流れ込んでいるのが現状だ。

これまで、「エルサの手術」や「ロックの眼球注射」あるいはキャラクターの名前に「大便」、「便器」などの言葉を加えたキーワードによる検索によって、愛奇芸テンセント動画、捜狐動画など国内動画サイト上で、一部の動画を探し出せることができた。

こうした情況に対応するため、全国「掃黄打非(ポルノ・違法出版物一掃)」弁公室は、深く掘り下げたモニタリング・徹底調査の部署配置を行い、関連ウェブサイトは内部調査・粛清に乗り出している。現在では、国内の主な動画サイトでこの種の動画を検索しても、全くヒットしなくなっている。

全国「掃黄打非(ポルノ・違法出版物一掃)」弁公室は、この問題について引き続き注目し、不履行企業にはその責任を問い、有害ビデオを制作し、情報を発信する企業については、精査・検証を経て、厳しく罰するとしている。

参考:

「不適切動画」とは、特定の愛好者によるグループ内で流行している映画作品を指す。たいていは極めてマイナ―な作品で、サイエンス・フィクション、ホラーなどの要素が雑多に寄せ集められている内容のものが多い。「不適切な子ども向け動画」は、従来の意味合いでのポルノ・バイオレンス動画とは一線を画している。制作面では、一般的に広く知られたアニメ作品のキャラクターを用い、役柄を変えて作品に登場させる。表向きには、「字を学ぶ」、「形を識別する」、「知識を広める」といったもっともらしいテーマを掲げている。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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