日本はなぜ中国の「天宮1号」に興味を示さないのか?―香港メディア

Record China    2011年10月11日(火) 8時52分

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9日、香港メディアは、在日中国人エンジニア、兪天任氏のコラム「日本はなぜ中国の『天宮1号』に興味を示さないのか?」を掲載した。写真は9月29日、「天宮1号」打ち上げ中継を見る人々。

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2011年10月9日、香港の衛星TV局・フェニックステレビ(電子版)は、在日中国人エンジニア、兪天任(ユー・ティエンレン)氏のコラム「日本はなぜ中国の『天宮1号』に興味を示さないのか?」を掲載した。以下はその内容。

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9月29日、中国は宇宙ステーション建設への第一歩となる実験機「天宮1号」の打ち上げを成功させ、中国の宇宙開発が新たな時代に突入したことを知らしめた。日本メディアもこのニュースを大々的に報じたが、意外なことに反響は小さかった。ただ、どのメディアも最後に必ず「中国の宇宙開発と軍事利用との密接な関わりに大きな関心が寄せられている」との言葉を付け足した。

日本人にとって宇宙開発とは何かはっきりしないものであるため、軍事的な脅威以外は思い付かないのだろう。だが、実は日本は旧ソ連、米国、フランスに次ぎ、世界で4番目に人工衛星の打ち上げに成功した国なのだ。1970年2月11日、日本初の人工衛星「おおすみ」が中国の「東方紅1号」より2カ月早く打ち上げられている。

この「おおすみ」は世界初の無誘導衛星打ち上げロケットで、日本の宇宙開発事業を象徴する存在だ。当時、誘導制御装置はミサイル開発に繋がる軍事技術への転用が可能であるとして、野党・日本社会党などが強く反対。他国は弾道ミサイル開発の副産物として人工衛星打ち上げ技術を習得したが、日本は東京大学の研究所という純粋な学術研究機関が開発を担当した。

日本は第2次世界大戦の敗戦国であるため、当初は宇宙開発どころか航空技術の研究すら禁じられていた。そのため、その後の日本の宇宙開発政策はまるで迷宮の中でもがき続けるような状態が続いた。日本が独自開発したH2A、H2Bは技術面では優れているのだが、国際競争の場で姿を見ることはあまりない。何をすれば競争の場に出られるのか、日本人自身も良く分かっていないからだ。

宇宙事業には巨額の投資が必要で回収の見込みも低いため、冷戦終結後の各国はいずれも慎重な姿勢に転じている。特に回収率にこだわる日本人の宇宙事業に対する熱意はもともと高くなかった。これに加え、米国が80年代に発動した「スーパー301条」で日本は人工衛星の調達を国際入札にすることを強いられ、ほとんどが価格面で競争力の高い米国製となってしまった。

こうした状況を打破すべく、2008年に野田佳彦氏が「宇宙基本法検討プロジェクトチーム」を発足。同年5月に日本の宇宙開発・利用の枠組みを定めた「宇宙基本法」が制定された。これを受け、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2025年の有人宇宙飛行計画を打ち出し、ようやく日本でも本格的な宇宙開発が始動した。ところが、その矢先の大地震で日本の財政はひっ迫。もしかしたら、宇宙開発どころではなくなってしまったのかもしれない。(翻訳・編集/NN)

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