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4日、中国人の貯蓄額は国内総生産(GDP)の半分以上を占め、世界でも類を見ないほどの高い貯蓄率となっている。中国人はなぜ、それほど貯蓄をしたがるのだろうか。写真は人民元。
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2011年10月4日、中国人の貯蓄額は国内総生産(GDP)の半分以上を占め、世界でも類を見ないほどの高い貯蓄率となっている。中国人はなぜ、それほど貯蓄をしたがるのだろうか。参考消息(電子版)が伝えた。
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2002年以降、中国の貯蓄率は上昇を続けている。世界平均の貯蓄率は25%だが、中国の貯蓄率はその2倍以上の56%。中国人の頭の中には貯蓄の目標額が設定されており、それをクリアしなければ家も車も買えないし、子どもを良い学校にも行かせられないと考えているとの指摘が上がるほどだ。
貯蓄の増加は消費の減少を招く。経済成長にともない支出も増えたが、2010年下半期以降、物価の上昇や景気の低迷から消費者が支出を抑える傾向が再び強くなった。今年8月の消費者物価指数(CPI)は6.2%上昇。7月と比べると0.3%下がったものの、高い水準が続いている。
米ニューヨークタイムズ紙は「過去の苦しい生活の記憶から、本能的に金を貯め込もうとしているのではないか」と指摘する。もし、これが本能的なものでないのなら、社会保障制度が整備されることで消費は復活するだろう。だが、本能的なものであれば、たとえ将来への見通しが十分に立ったとしても、貯蓄に励む行動パターンは変わらない。
現在はインフレと通貨切り下げにより、1万元(約12万円)預金すると年間で数百元も損をする状態。そのため多くの人が銀行に預金する習慣を変え、新たな投資方法を求めているが、そう簡単には見つからないようだ。(翻訳・編集/岡田)