菅氏は日本政治の犠牲者、首相退陣は能力の問題ではない―SP華字紙

Record China    2011年8月30日(火) 5時7分

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29日、シンガポール華字紙は「菅直人氏が退陣したのは能力の問題ではない」と題した記事を掲載した。写真は太陽光発電が導入された山西省太原市のオフィスビル。

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2011年8月29日、シンガポール華字紙・聯合早報(電子版)は、「菅直人氏が退陣したのは能力の問題ではない」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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菅氏は在任中、「能力が低い」「権力に執着している」とさんざんな言われようだったが、退陣表明の際に「やるべきことはやった」と言い切った時、真摯で誠実な人物に感じた。菅政権が歩んできたこの1年3カ月を振り返ると、本当に大変だったと思う。

特にこの3カ月、「なかなか辞めない」と皮肉られながらも「退陣3条件」を掲げ、内閣が崩壊寸前という悪条件の下、「平成23年度第2次補正予算案」「特例公債法案」「再生エネルギー特別措置法案」を成立させた。

震災復興や原発依存からの脱却など、後任が仕事をやりやすい環境を整えた形。それはまるで大義のために自らを犠牲にしたかのような潔さだ。わずか数万円の政治献金問題で逃げ出した閣僚や、寝ても覚めても頭の中は権謀術数ばかりの老練政治家より、菅氏の去り際の方がよほど清々しい。

菅氏の退陣は能力の問題ではない。昨年6月4日、鳩山由紀夫氏から首相の座を引き継いだ時は6割を超える支持率を誇っていた。多くの人が民主党の希望と日本の未来を彼に託したのだ。だが、良い時は長く続かなかった。菅氏は消費税引き上げを頑なに主張し、民意を喪失。さらに、党の大物である小沢一郎氏の政治資金スキャンダルにより内閣改造を余儀なくされた。

その後の参議院選挙で民主党は敗北。「ねじれ国会」が生まれ、菅内閣はどんどん窮地に追い込まれた。東日本大震災は起死回生のチャンスだったが、党内抗争は一向に止まず、足の引っ張り合いが続いた。このような環境では首相がどんなに能力があっても、それを発揮するのは至難の業だ。

菅氏は日本政治の新たな犠牲者にすぎない。犠牲者は彼が最初ではないし、最後にもならないだろう。日本は長い間、議会民主制をとってきた。首相は直接選挙ではなく、衆議院選挙で勝った政党から推薦される。首相、衆議院、参議院という複雑さが、政治を権力闘争の場にする元凶ではないのか。

安倍晋三氏から菅氏まですでに5人の首相が「ねじれ国会」にやられている。政権交代という歴史的な快挙を果たしても、こうした政治生態は変わっていない。首相短命の原因はこうした制度にあるのではないか。日本は5年間で6人目の首相が間もなく誕生する。だが、議会民主制と現行の選挙制度を根本から改革しない限り、今度の内閣も短命という不運から逃れられないだろう。(翻訳・編集/NN)

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