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中国の国産高速鉄道「中華之星」、結局導入されなかった裏には何が?―中国紙

配信日時:2011年8月9日(火) 5時22分
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7日、かつて最高時速321.5キロという驚異的な速さを記録した中国の国産高速鉄道「中華之星」。華々しいデビューを飾った高速鉄道車両「CRH」の陰で、ホコリまみれで解体されるその日を待っている。写真は「中華之星」。
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2011年8月7日、かつて最高時速321.5キロという驚異的な速さを記録した中国の国産高速鉄道「中華之星」。華々しいデビューを飾った日本、フランス、ドイツの“血筋”を引く高速鉄道車両「CRH」の陰で、ホコリまみれになりながら解体されるその日を待っている。新金融観察が伝えた。

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「中華之星」が国家プロジェクトとして期待を一身に背負い、始動したのは2000年のこと。投資総額は1億3000万元(約15億7000万円)。国家予算から4000万元(約4億8000万円)、鉄道部から4000万元を拠出し、5000万元を企業が負担した。列車メーカー主要4社すべてが参加した。

2001年8月、試作品の製造開始。そして、2002年11月、試験走行で最高時速321.5キロをマークした。この瞬間、「中国が独自設計し、完全な知的財産権を所有する高速鉄道列車」に対する注目は一気に高まり、マスコミも大々的に報道。当時の鉄道部長は「中国は高速鉄道の時代に突入した」と高らかに宣言した。

当時を知る専門家はこう語る。「当時も外国の技術を導入したが、そっくり真似ることはなかった。今のように設計図まで外国のものをそのまま使うなんて考えられなかった」。

知らない人が多いと思うが、中国は自らの高速鉄道技術の向上のため、「二股」をかけた時代があった。当時、日本の新幹線車両で採用されている「動力分散方式」と欧米で主流だった電気機関車と客車の組合せによる「動力集中方式」の2つがあったが、後発組の中国としては動力集中方式を学びながら、新幹線方式も研究しようということになった。このことは当時、機密扱いだった。

北京と上海を結ぶ「京滬高速鉄道」でどちらの方式を採用するかを決める、極秘の専門グループも発足させた。上述の専門家は「高速鉄道技術のすべてを独自開発する必要はないというのが、同時の方針だった。京滬高速鉄道では新幹線方式を採用する考えが強かったが、結局、公開入札を行った。最初から新幹線を選ぶことが分かったら、日本が価格を吊り上げると思ったからだ」と語る。

「中華之星」は90%以上が“国産”だったが、ベアリングや重要な部品は輸入に頼った。独自の知的財産権を持つことがイコール「完全な国産化」という考えではなかった。海外から部品を調達することはどこの国でもやっていることだという認識があったからだ。

ところが、試験走行が間もなく終わる頃、ボギー台車が正常に作動していないことを示す警報が鳴った。使用されているのは輸入部品だ。当時、最も懸念されていたのは設計面での欠陥ではなく、実は設計通りに作る能力があるかどうかだった。国内の工場には旧式の設備しかなく、労働者の質やそれを管理する人材も明らかに不足していた。安全面に対する不安が、こうして広がっていった。

そして、2003年3月、鉄道部の部長が劉志軍(リウ・ジージュン)氏に代わると、「中華之星」の運命は一気に下降線をたどっていった。劉氏は2004年8月、京滬高速鉄道の入札を行う際、国内企業の参加条件として海外企業との合弁を挙げた。これで、「中華之星」は完全に、表舞台から姿を消すことになった。

そして、2006年8月、「中華之星」は瀋陽の車両基地に“封印”された。後は解体されるその日を待つのみである。(翻訳・編集/NN)

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2011年8月8日 13時42分
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