【週末美術館】自分を見つめる

Record China    2011年7月30日(土) 16時1分

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シルクスクリーン作家の王岩は、日常の些末な事柄から感情的体験や気づきを得る鋭い感性の持ち主。連作「状態」の中では、まさに自分自身に対してこれを見出している。

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中国の美術教育機関として最高学府の中央美術学院に籍を置く学生の版画家・王岩(ワン・イエン)は、シンプルで明快な若者らしいシルクスクリーン作品を制作している。誰もがあまり気にも留めない日常の些末な事柄から感情的体験や気づきを得る鋭い感性の持ち主だが、連作「状態」の中では、まさに自分自身に対してこれを見出している。

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真上から見下ろした下半身、という構図が並ぶ。これはまぎれもなく、作者が自分で自分を見下ろして描いたもの。この“見下ろす”という動作について、不意に新鮮な気持ちになったという。日ごろから、我々の視線というものは他人や事物を見るために多くが使われており、自分自身に目を留めることが少ないのではないだろうか?自らにとって最も近しいはずの自分自身の一部分を観察するという動作は、実に新鮮な行為なのである、と語っている。

この作品は、彼女にとっての日記やスナップ写真のようなもの。平凡な日々の中のひとつひとつの平凡な動作を、新しい角度から見つめなおすこと。とても簡単なことだが、なぜか縁遠いこと。これを、絵画が持つ独特の伝達力に載せて表現したかったという。(文/山上仁奈)

●王岩(ワン・イエン)

中国の画家。1984年生まれ、山東省済南市出身。2008年に上海師範大学を卒業後、中央美術学院の大学院に進み、版画学科で学んでいる(2011年現在)。専攻はシルクスクリーン。作品は「中国版画年鑑」や韓国誌「The Traveller」にも収録されている。代表作に「状態」「双」「流動する都市風景」など。

写真提供:匯泰国際文化発展有限公司(中国・天津

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

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