<コラム>日本人は「カモネギ」?中国歯科医の会計時の一言にあ然

配信日時:2018年1月30日(火) 20時20分
日本人は「カモネギ」?中国歯科医の会計時の一言にあ然
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私は、会社の命により、中国の子会社の総経理として上海と、そしてその後、大連に赴任しました。資料写真。
私は、会社の命により、中国の子会社の総経理として上海と、そしてその後、大連に赴任しました。まったく知らない土地、一面識もない現地の社員の皆さん、そこへ行けという社命は、サラリーマンにとっての国替えのようなものです。そこで生活を始めると、経験したことのない習慣や風習が多くあり驚かされます。例えばこんなことが…。

【上海で散髪】
中国では「理髪店」や「美髪店」と呼ばれる散髪屋さんがたくさんあります。それも、路地裏の道端に椅子だけおいてやっている青空散髪(最近は見かけなくなりまし)から、コーヒーが出て、通訳までいるような高級店までさまざまです。多くは、男性も女性もOK。日本ではごく普通の散髪屋さんしか知らない私は、若い女性のお客さんの隣の席に座っていることが、なんか気恥ずかしかったことを覚えています。

さて、現地に赴任して1カ月も経つと髪が伸びてきて、どうしても散髪をしなければならなくなりました。初めて1人で散髪に行くことになった時のことです。中国語の勉強を始めたばかりで、どう言えばよいのか、前日に中国語の先生に尋ねました。先生は、中国語で「原来一様」と言えばよいと教えられました。「元の通りに」とか「今までのまま」といった意味です。

習いたてのその言葉をぶつぶつ言いながら、目指す散髪屋さんに入りました。比較的高級店です。案内された席に座って待っていると、間もなく若い女性店員さんが来てシャンプーを始めました。シャンプーと言っても、むしろ頭皮のマッサージです。とても気持ちのよい15分くらいがたって、洗い流してシャンプーは終了。

【原来一様…元のとおりに】
少しすると、理髪師がやってきました。中国では、「師傳」と敬称で呼ばれ、専門技術を持った専門家を意味します。その「師傳」が、どのようにカットしましょうかと尋ねますので、私は昨日習った通り「原来一様」(元のとおりに)と答えました。

理髪師は怪訝(けげん)そうな顔つきで「元はどんなヘアスタイルだったのかわかりません」と。私は、さっきまでのシャンプーによって、毛がくしゃくしゃになっていることに気がつきました。

難儀してカットを済ませ、翌日の中国語授業の時に、先生にその時の様子を話しました。先生は大笑い。次からは「短一点(短めに)」と言えばどうか、とアドバイスをくれました。なら、最初からそう言ってくれたらよかったのに…。なお、カットをしてくれる技師は技術レベルによって値段が違い、客が指名することもできます。また、顔剃りはありません。

【大連の歯医者、日本人はカモネギ】
人間は生身。15年近くも中国にいると体の不調を感じることもあります。ある時、歯がとても痛くなり我慢できず、地元の歯医者に行きました。中国では「牙科」といえば歯医者のこと。歯が「牙(きば)」とは面白いですね。

電話をしてその歯医者に行くと、なんと、医師の先生が玄関で出迎えてくれました。何人かの患者さんがいましたが、その脇を抜いて治療用の例の椅子まで、自ら案内をしてくれました。大きな声では言えませんが、治療単価が高くて儲かる日本人の患者は、「カモがネギをしょってきた」、といったところのようです。

椅子に座り、上を向いて口を大きく開けて治療中に、順番待ちの他の患者が私の口をのぞき込んでくるのです。これでは、プライバシーも何もあったものではありません。あっちへ行け、と心で叫びつつ、口を開けたままでは抗うこともできません。

医師が治療器具について、国産か日本製か、どっちにしますかと、聞いてきます。口を開けていた私は、「あわぁわあぁ」と日本製を指さし…、もう大変。

中国の歯医者は、治療に2〜3時間をかけ、その代わり1回で治療を終えます。治療費については一旦全額を支払いますが、日本で手続きをすれば7割ほどが還付されます。そこで、領収書をお願いしました。そのお医者さんは、「金額はいくらで書きますか?」と。あ然とした私は気を取り直して「実額で書いてください」

国替えにはおたおたすることや、あ然とすることが、いっぱいあるのです。でも、そんな驚きをむしろ楽しむ余裕が、仕事の成功につながっていくのだろうと思います。

■筆者プロフィール:曽賀善雄
1949年和歌山県生まれ。1971年大手セキュリティサービス会社に入社。1998年6月、中国・上海のグループ現地法人の総経理(社長)として勤務。2000年4月から13年近くにわたり中国・大連の現法で総経理(社長)として勤務。2013年1月に帰国、本社勤務を経て2014年7月リタイア。
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