2011年7月12日までに、自動車部品製造大手の独ハフ（Huf）社が吉林省長春市に建設を進めていた新工場が完成した。同社にとって中国で4カ所目の生産拠点で、パッシブエントリーシステムなどを生産する。中国の各メディアが伝えた。

新工場の名称は長春霍富汽車鎖有限公司で、敷地面積は1万6700平米。プラスチック成型や塗装工程を中心に、自動車用キー、ドアロック、ドアハンドル、ステアリングコラムロックなどを製造する。現在の従業員数はわずか45人だが、2011年末までに220人まで増やす計画だという。

新工場の完成により、フル稼働を続けていた煙台工場の生産負荷が軽減できるといい、製品は主に東北地域の自動車メーカーに供給される。同社のウルリッヒ・ヒュルスペックCEO（最高経営責任者）は「外資系メーカーや合弁メーカーだけでなく、中国の自動車メーカーにも製品を供給する」と述べ、すでに複数の大口受注があったことを明らかにした。

また同社は上海工場に電子製品開発センターを建設中で、今後中国でも普及が見込めるパッシブエントリーシステムの研究開発を行うという。同社の担当者は「最近は中国の自動車メーカーが価格より品質を重視するようになった」と述べ、高品質で付加価値の高い商品の開発、生産に注力する方針を示した。

同社は世界に20カ所を超える生産拠点を持ち、10年にメキシコに進出したほか、現在はインド、ルーマニア、ブラジルにも工場の建設を進めている。世界の従業員数は約5600人で、中国には全体の4分の1にあたる約1400人がいる。同社の10年の全世界における売上額は8．47億ユーロ（78億元）だった。（翻訳・編集/JX）