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日本の安倍晋三首相はこのほど、中国の「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブに関して、「個別の案件について日本で対応できるものはきちっと対応していきたい」と語ったほか、時事通信社などが主催する新年互礼会であいさつし、中国との関係について、日中平和友好条約締結から40周年に当たる今年を、「大きく改善したと両国国民が認識できる一年にしていきたい」と述べた。人民日報海外版が報じた。
「日本経済新聞」はこのほど、「日本政府は中国との関係改善に向けた対処方針を固めた。中国の『一帯一路』に協力し、2018年の日中平和友好条約40周年と合わせて、安倍首相が中国を訪問、習近平主席に来日を招請する」と伝えた。
「読売新聞」は最近、「政府が、基幹道路整備など日本が実施している複数のアフリカ開発事業で、中国に参入を呼びかける方針であることがわかった。アフリカ支援の方針を修正することで、中国との友好的なムードを作り出し、日中関係を正常で安定した軌道に戻したい考え」と伝えた。
香港紙「南華早報」のサイトはこのほど、「日本はアフリカ開発事業に参入するよう、中国に呼びかける方針。これは、東京と北京に新たな架け橋をかけようとする新たな試み。アナリストは、『ワシントンの政治が不安定であるため、東京は新たな協力パートナーを探している』と分析している」と伝えた。
■国際関係学院国際政治学部の孟暁旭教授の見方
日本は最近、「中日平和友好条約」締結40周年であるのを機に、安倍首相の中国訪問、習主席の来日を実現し、中国の「一帯一路」イニシアティブと積極的に連携しようとしている。日本が中国との関係を積極的に改善させようとしているのには、いくつかの原因があるだろう。
まず、中国の「一帯一路」イニシアティブが勢いよく発展し、日に日に影響力を高めているのを背景に、日本は、中国と疎遠になったり、対抗心を持っていたりすれば、中国台頭の勢いを止めるどころか、発展の絶好の機会を逃すことになりかねないと気付き始めた。現在、世界の100以上の国や国際組織が「一帯一路」の建設を積極的に支持し、参加している。また、国連総会や国連安全保障理事会などの重要な決議にも「一帯一路」建設関連の内容が盛り込まれている。「一帯一路」の支持者は増え続け、その成果が目に見えるようになっているため、日本は自然とそのチャンスを逃したくないと思うようになっている。また、日本にとって中国は最大の貿易パートナーでもある。17年11月、日本の対中輸出総額は前年同期比25.1%増の約1兆3800億円と、過去最高を記録した。これも、日本の経済発展には、中国が必要であることを示している。
次に、米国のトランプ大統領が「米国ファースト」を掲げているのを背景に、米国政府の対外政策は、「グローバル化」の分野で明らかに後退している。米国は今、二国間関係を重視している。それにより、これまでずっと米国頼りだった日本は支えを失い、その構図を変えて、開放的な国としての利益を守ることが必要になっている。そのため、影響力が日に日に高まっている中国と協力することが、日本にとって必要な選択となっている。トランプ大統領のアジア訪問における、中国に対する姿勢やその後の対中政策を見ると、米国は中国に対して、日本が期待しているような明らかな抑制的な姿勢は示していない。これも、日本が中国との距離を縮めようとしている原因の一つだ。
中日関係の方向性に影響を与える要素には、歴史問題、台湾問題、領土問題などがある。その他、日本の憲法改正が地域の安全を脅かす恐れがあるという問題もある。日本は朝鮮の核問題に対応するためという名目で、地上配備型の新たな迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入を決定した問題や日本の関連の戦略が中国の「一帯一路」の建設に的を絞っている可能性があることなども両国関係に影響を及ぼす。うち、歴史問題や台湾問題は、中日関係の政治的基礎に影響を及ぼす重大な原則的問題だ。
今のところ、18年は中日関係が改善する可能性が大きい。18年は「中日平和友好条約」締結40周年で、これも、中日関係が改善するきっかけとなる。同条約は、両国の平和で友好的な関係を発展させる基礎、方法、目標を定め、中日関係の全面的な発展の政治的基礎を固めており、重要な意義がある。両国は最近、摸索と接触を重ね、日本も積極的な姿勢を見せている。その他、20年には日本で夏季五輪、22年には中国で冬季五輪が開催される。五輪が両国関係を縮め、両国関係が良い方向へと発展するよう促進してくれることが期待される。
中日両国は世界における主要エコノミーで、東アジア地域の大国。中日関係の改善は、地域経済の一体化の推進、世界の平和と安定にも有効な役割を果たす。中日は17年に両国関係が改善した流れをそのまま保ちながら努力を続け、両国関係の継続的改善に取り組まなければならない。 (編集KN)