【週末美術館】イエンウー、2歳〜16歳

Record China    2011年5月22日(日) 15時43分

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写真とも絵画ともつかないセルフポートレイト。作者の袁燕舞自身の、2歳から16歳の間に撮影された写真をベースにして描かれた作品には、ポップアートの洗練と懐古的なセンチメンタリズムが同居している。

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写真とも絵画ともつかないセルフポートレイト。作者の袁燕舞(ユエン・イエンウー)自身の、2歳から16歳の間に撮影された写真をベースにして描かれた作品には、ポップアートの洗練と懐古的なセンチメンタリズムが同居している。自分自身や、自分とともに成長してきた友人の写真をモチーフにした創作が彼女の主なテーマとなっている。

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彼女はかつてフランスの大学で「フォトペインティング(写真をもとに描画する絵画)」を修士卒業論文のテーマにし、写真を“モデル”に据えた画家に注目した。50〜60年代アメリカのポップアートに始まり、フォトリアリズム絵画、ゲルハルト・リヒターのフォトペインティングからさらに発展し、雑誌のグラビアやウェブからダウンロードした写真をモチーフに描く画家は数えきれないほど増えていった。無論、近年の具象絵画は写真やマルチメディアからさまざま素材やアイディアを得ている。

こうした手法を踏襲した彼女の作品は、写真の持つ記録性を発揮した自伝性の濃いもの。ストイックなおさげ髪、紅のさした頬に赤い唇、髪を飾る大きなリボン、首に巻かれた赤いスカーフ……外国人の我々から見ると、共産主義の色濃い時代に撮られたこれらのポートレイトはどこかエキゾティックで新鮮で、それでいて懐かしげな、ふしぎな感覚を呼び起こしてくれる。

●袁燕舞(ユエン・イエンウー)

1976年2月、安徽省徽州区岩寺鎮(現在の黄山市)の小さい村で生まれ、8歳で上海に移る。1994年〜1998年、南京大学でマスメディアを専攻し、卒業後は上海紙・新民晩報の撮影部に就職。2003年に退職してフランスに渡り、新聞学院に進学。その後、撮影専攻の修士学位取得。今現在パリに在住しており、芸術創作関係の仕事をしている。

写真提供:袁燕舞

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。



   

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