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塾も予備校もない教育―在デンマーク在住44年の千葉忠夫氏

配信日時:2011年4月29日(金) 16時46分
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「デンマークには予備校はないし、塾もない。教育を通して国民は競争のための競争ではなしに、しっかりした職業意識、強者が弱者を助ける共生社会について学ぶ」と語るのは、福祉国家・デンマーク在住44年の千葉忠夫・日欧文化交流学院学院長。
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「デンマークには予備校はないし、塾もない。教育を通して国民は競争のための競争ではなしに、しっかりした職業意識、強者が弱者を助ける共生社会について学ぶ」と語るのは、福祉国家・デンマーク在住44年の千葉忠夫・日欧文化交流学院学院長。

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「何で北欧の国が幸福で強いのか、この目で見てみたい」と1967年に単身渡欧した千葉氏。デンマークでの社会福祉の実践を通して生涯の師バンクミッケルセン氏(ノーマリゼーション実践提唱者)と出会い、「格差と貧困のないデンマーク」(PHP新書)を書いた。

一時帰国中の同氏は日本記者クラブで講演、「経済大国」のはずが貧困率の上昇、貧富の格差拡大、高い自殺率、少子高齢化に苦しむ日本の在りように疑問を呈した。千葉氏の分析によれば、日本の一番の問題点は教育。デンマークは資源がないのは日本と同じだが、教育が違うという。

日本の高校進学率は、99%だが、デンマークは30〜40%。日本では高学歴を目指して当然のこととして高校に進学するが、デンマークでは国民学校での義務教育期間(10年)を終えた子供たちは、その多くが職業別専門学校に進学する。「高校の無償化など無意味。第2次大戦後デンマークは農地改革をやり、そして職業意識を持った女性が社会に進出。女性も税金を払い、福祉社会を支える。一歩一歩着実に福祉社会をつくってきた」と、長い社会・意識改革の歴史を振り返る。

日本の消費税率が5%なのに対し、デンマークは25%。しかし「日本の物価が安いとは感じない。牛乳などはデンマークの方が安い」と指摘した上で、「デンマークではさすがに国会議員には歳費が出るが、市・州議会議員などは無給。二世議員などはあり得ない」と指摘。「日本は経済大国。皆さん、答えは分かっているのにできないでいる。わたしは歯がゆくてしょうがない」と、東日本大震災に揺れる故国にもどかしそうだった。(原稿/日本語教師・中村隆二)

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