震災復興への協力が新たな日中関係の扉を開く―国民レベルの相互理解推進で一致―東京北京フォーラム

Record China    2011年4月4日(月) 5時47分

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1日、東京北京フォーラム協議が北京で開催され、東日本大震災に対する協力が新たな日中関係に向かう扉を開くとの認識で一致。同フォーラム全体会議を復興や日中関係の再構築をメインテーマに8月に北京で開催することで合意した。写真は北京での同協議。

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2011年4月1日、東京北京フォーラム(言論NPO、中国日報社主催)の協議が北京で開催された。会議には日中両国の有識者12人が出席。昨年9月の尖閣諸島問題以降、日中間の国民感情が悪化した中で、両国の国民レベルの相互理解を進めるための方策を探った。その結果、東日本大震災に対する協力が新たな日中関係の扉を開くとの認識で一致。同フォーラムの全体会議を復興や日中関係の再構築をメインテーマに今年8月に北京で開催することで合意した。

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今回の日本の大震災について、趙啓正・全国政協外事委員会主任は「日本人だけではなく人類の災難だ」として哀悼の意を表明。「このフォーラムの役割は政府と広範な国民にこの議論の結果を伝え、成果をより多くの人々と共有することだ」と強調した。

宮本雄二・前駐中国日本大使は、「尖閣諸島の事件を通じて、中国、とりわけ人民解放軍に対する不安が日本国民の中で広がっている」と指摘した上で、「脅威ではないということであれば、日本の一般国民にも分かるような形でそれを説明して欲しい」と中国側に対応を求めた。さらに、「幅広い層にまで『中国は怖い国だ』という認識が広まり、マイナスの感情が想像以上に広く共有されてしまったが、それには報道するマスコミにも問題がある」と述べた。

陳昊蘇・中国人民対外友好協会会長は、「我々両国の関係が昨年以降急速に悪化し、国民の間で相互信頼が失われたことは認めざるをえない」としながらも、「私たちは波乱が起きないように信頼関係を構築し、何か問題があったときは抑制し、挑発しないように対処することが必要」と指摘。「我々の間にはたしかに相違があるが、大きな問題があっても現状を(後ろ向きに)改めることはしない、改める場合には積極的な方向で行うといったルールをつくることが必要ではないか」と述べた。

これに関連して、呉健民・国家創新与発展戦略研究会副会長は「日中間には食い違いがあるだろうが、それをことさらクローズアップする必要はない。共通利益の方にエネルギーを分配させるべきだ」とし、今後の日中協力のあり方として、「現在中国で深刻になっている水質汚染などの分野で、日本の世界最高の技術を活かして欲しい」と語った。

明石康・財団法人国際文化会館理事長・元国連事務次長は「たしかに、昨年の事件以後傷ついた日中関係の修復には時間がかかると思うが、我々は相互認識を深めるという当初の目的、使命を変える必要は全くない。日中間に既に通っている『戦略的互恵』という言葉に具体的な肉付けをしていくために、より改善した形で我々が語り合う場を続けることが必要だ」と述べた。

秋山昌廣・海洋政策研究財団会長・元防衛事務次官は「今回の震災では、日本経済の再構築、政治体制の再構築という復興以上の問題が日本に課されている。経済はもちろん、外交、日中関係にも大きな影響を与えるという意味で、日本の隣国である中国は、北東アジアにおける一大事件としてこの震災をとらえてもおかしくない」と述べ、中国にとっても注視し、綿密に議論をすべき出来事だとの認識を示した。

楊毅・中国国防大学戦略研究所長・少将は、「戦略的互恵関係において、安全保障分野は欠かすことができない」とした上で、「台湾の問題が含まれる以上、中国にとって日米安全保障条約は安心出来るものではないし、一方で日本にとってはとりわけ中国海軍の透明性に不安があると聞く。安全保障の議論を行うにあたっては、お互いにとって脅威ではないことを明らかにし、中日間の二国間安全保障関係は従来のジレンマを抜けださなければならない」と語った。(取材・編集/HY)

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