2011年3月9日、証券時報（電子版）は、原材料価格の高騰、人件費の上昇、人民元切り上げという“3重苦”を抱える状況で、中国企業は競争力を維持できるのか？と報じた。

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中国企業には海外輸出型の加工製造業が多く、08年には金融危機の発生によって海外からの需要が激減したものの、近年は市場の回復により中国企業も力を取り戻しつつある。また、従来の低コスト・低品質の製品から、品質の高い優れた製品へ徐々に移行するなどの動きも見られ、2010年は多くの分野で輸出単価が上昇し、コスト増の大半は価格に転嫁される見込みだ。

人件費などのコスト面を考慮した多くの海外企業が、ベトナムやインドに工場を移転させる動きも出ているが、実はそれらの地域は中国以上のペースで人件費が急上昇しており、政府の統制が効果を発揮している中国のほうが良好な生産環境を維持しているとも指摘されている。品質や物流の面でも、まだ中国に後れを取る地域も少なくない。また、原材料価格の高騰は、どの国のどの企業であろうとも共通して抱えている問題であり、通貨問題も新興国ならどこも避けては通れない道だ。

以上のことと、高品質を目指した生産業へシフトし始めている中国の現状から、原材料価格の高騰、人件費の上昇、人民元切り上げという“3重苦”のストレスは予想されていたよりも小さく、企業に与える影響は実際にはさほど大きくないと見られ、中国が高い競争力を維持することは十分可能だとされている。（翻訳・編集/岡田）