中国に「全面的な民主選挙」を促すのは難しい―米紙

Record China    2011年2月20日(日) 9時3分

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16日、米紙は、清華大学政治哲学科のDaniel A. Bell教授の寄稿を掲載した。中国でエジプトのような急激な政治改革が起きる可能性は低いと論じている。写真は中国各地のスーパー。

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2011年2月16日、米紙ニューヨーク・タイムズは、清華大学政治哲学科のDaniel A.Bell教授の寄稿を掲載した。中国でエジプトのような急激な政治改革が起きる可能性は低いと論じている。17日付で米華字サイト・多維新聞が伝えた。

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記事は、エジプトの前政権と同じ専制国家である中国では、やはり同じように貧富の差や役人の汚職、食品価格の高騰、大学生の就職難などの問題を抱えているとし、エジプトの反政府デモがムバラク政権を崩壊させた民主改革がドミノ式に中国にも波及することが懸念されていると指摘する。

だが、同教授によると、中国で同じような民主改革が起きる可能性は低い。中国にも例えば昨年ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(リウ・シャオボー)氏のように民主化を望む勢力は存在するが、活動範囲は狭い。しかも、中国の多くの政治改革者たちは多党制にすることで中国の政治問題を解決することを望んでいないという。

中国は現在、「5カ年計画」を通じて貧困地区や西部の人口が少ない地域にクリーンエネルギー設備や高速鉄道などの建設を進めている。いずれも長期的な利益を見据えたものだが、完全に民主化された政府が誕生すれば、短期的な選挙に絡んだ利益しか追求されなくなるだろう。それに選挙で一旦選ばれてしまえば、後になって他に優秀な人材がいることに気付いても、容易に変えることはできない。

民主化に対する悲観主義者たちは、自由に国のリーダーを決めて良いということになれば、道徳心に欠けた人たちによって不健康なナショナリズムが引き起こされる危険性も伴うと指摘する。そうなれば、中国が軍事面でも経済面でも強くなり、国際社会で威張り散らしたいと願う連中によって中国が支配されてしまう。

一方の楽観主義者たちは、自由になり過ぎることで政府が国民のために統制してきた政策を失ってしまうのではないかと懸念する。例えば、完全に民主化された政権が誕生し、米国のように二酸化炭素を排出していけば、地球は破滅する。

そのため、外部勢力が中国に「全面的な民主選挙」を促すのは、少なくとも今の段階では難しいとの見方を同教授は示している。(翻訳・編集/NN)

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