「very sorry」を引き出すために…米国の謝罪書簡に6度も書き直し要求=唐元外相の秘話―中国

Record China    2011年2月16日(水) 11時36分

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12日、中国の唐家セン元外交部長が在任時の01年、米偵察機と中国の戦闘機が衝突した事件について、当時、米国側からの謝罪の書簡に対し、中国側が6回にわたって文言訂正を求めたことを明かした。写真は09年10月、中華人民共和国建国60周年記念の閲兵式。

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2011年2月12日、中国の唐家セン(とう・かせん)元外交部長が在任時の2001年、米国の偵察機と中国の戦闘機が衝突した事件について著書の中で秘話を明かし、当時、米国側から送られた謝罪の書簡に対し、中国側が6回にわたり文言の訂正を求めていたことがわかった。米華字ニュースサイト多維新聞が伝えた。

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ここで取り上げられている事件は2001年4月、沖縄を出発した米偵察機EP-3が中国・海南島沖の公海上を飛行中に中国の戦闘機E-8と衝突、E-8が墜落したというもの。米国は当初、問題の空域について「飛行権利あり」と主張したが中国側は「領空侵犯」との立場をとった。事件4日後、米国側は米駐中大使を差出人名義とした書簡で謝罪を表明するも、中国側は謝罪文言に対する修正を要求、6通目で「very sorry(非常に申し訳ない)」との文言を見たことでようやく溜飲を下げたという。

唐家セン氏はこの問題について、謝罪の文言というのは単なる語義やレトリックの問題ではなく、歴史的責任を伴った政治問題であると書中で綴っている。当時、外交部アメリカ局と英語の専門家を挟んで、あるべき“謝罪”の文言について検討したという。

謝罪を表す英単語は主に3つ。謝罪の程度が重い順に「apologize(謝罪する)」「sorry(申し訳なく思う)」「regret(後悔する)」である。国家間の謝罪については「sorry」を用いるのが適切で、それに「very(非常に)」「deeply(深く)」が伴えばより意味は重いものになる。最終的に米国側が採用したのは「very sorry」だった。

米メディアによると、この件について、ドナルド・ラムズフェルド前国防長官は「これは謝罪をすべきではない」と、当時のブッシュ政権の対中姿勢に反対を唱えていた。「中国側に非があるのは明らかで、彼ら自身が実際はそれをよく承知している。彼らの脅しと怒りを装った態度に屈してはならない。低姿勢で対峙することは米国の利益にならない」と主張したという。

最終的に、米国は中国側の望む形での謝罪を行い、それと引き換えに、海南島で拘束されたEP-3の乗組員20人を救出した。

これについて、中国のネット上では冗談めかしたようなこんな指摘があった。「米国が“sorry”とひと言言うのを引き延ばせば引き延ばすほど、我らの税関職員は(不時着した海南島で差し押さえられた) EP-3のすみずみまでを撮影し、スキャンできたというわけ。半月後にやっと“very sorry”が言えた時にはもう手遅れ。翌々年にはKJ-2000(中国が本機のシステムを開発した早期警戒管制機)が登場したという運びさ」。(翻訳・編集/愛玉)

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