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中国漁船衝突事件、船長と元保安官の不起訴で終わりにしても良いのか?―SP華字紙

配信日時:2011年1月27日(木) 23時6分
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24日、中国漁船衝突事件は、検察当局が中国人船長と衝突ビデオを流出させた元海上保安官を不起訴にしたことで、一応の収束を見た。これを受け、シンガポール華字紙は「これで終わりで良いのか」について検証している。写真はビデオ流出のニュースを伝える香港の番組。
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2011年1月24日、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件は、検察当局が中国人船長と衝突時のビデオを流出させた元海上保安官を不起訴処分にしたことで、一応の収束を見た。これを受け、シンガポール華字紙・聯合早報は「本当にこれで終わりにしても良いのか」について検証している。以下はその内容。

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中国人船長と元海上保安官を不起訴処分とした日本の検察当局の決定は、予想通りと言って良い。新内閣にとって目下の最重要課題は財政再建や支持率回復。もしも船長を起訴すれば、せっかく落ち着きを取り戻してきた日中関係が再び悪化する恐れがある。元海上保安官を起訴すれば、世論の怒りを買うことは必至。支持率回復どころではなくなるだろう。誰も起訴しないことが唯一の選択肢だったのだ。

これで事件は一応の収束を見たが、領土争いという本質的な問題は何も解決していない。それどころか、日本は中国への警戒感を強めた新たな「防衛計画の大綱」を決定したほか、日米同盟を深化させ、韓国との関係改善にも努めている。いずれも中国への牽制であることは明らかだ。中国が国内総生産(GDP)で日本を抜いたことも日本の危機感をあおる要因となっている。

注目すべきは、枝野幸男新官房長官が20日、程永華駐日中国大使と首相官邸で会談した際、「中国と互いに良き隣人になれるよう尽力したい」と述べたほか、その後の記者会見でも「中国の勢いを日本の発展の原動力にしたい」との姿勢を見せたこと。枝野長官は就任前、漁船衝突事件に関連して中国を「悪しき隣人」と批判していた。

このほか、菅直人首相も同日の外交演説で「日中の戦略的互恵関係の強化」を表明し、関係改善への意欲を示した。また、同じ日に北京でも第12回日中安全保障対話が行われ、防衛当局間の海上での連絡体制を早期に構築することで合意した。こうしたことから、日本の新内閣が以前よりも具体的な方策に手をつけるようになったことが伺える。

背景には日本の切羽詰まった経済情勢がある。景気回復には中国との関係改善が不可欠だからだ。中国も国内での改革に専念するために周辺国との関係は良好に保っておきたい。両者の利害が一致することを考えれば、漁船衝突事件はこの辺で終わりにした方が良いのだろう。(翻訳・編集/NN)

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