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1日、英メディアは、世界的な金融危機の「勝ち組」である中国が、新たな役柄に慣れようとあたふたしていると報じた。写真は天津の鋼材工場。
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2010年12月1日、英フィナンシャル・タイムズの中国語版ウェブサイトは、世界的な金融危機の「勝ち組」である中国が、新たな役柄に慣れようとあたふたしていると報じた。以下はその概略。
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金融危機後の08年秋、輸出が大幅に減少し、大量の失業者を出した中国はそれ以降、西側国家への経済依存を弱め、発展途上国との関係強化に乗り出した。中国は昨年、ブラジル最大の貿易相手国となり、鉄鋼、製造業、農業などの分野で協力していくことで合意。今年はブラジル最大の直接投資国になる見通しだ。同じような現象は中央アジア、東南アジア、アフリカでも起きている。このほか、中国政府は人民元の国際化も進めており、人民元建て国債を発行する計画も発表した。
中国は空前の勢いで影響力を拡大し続ける一方で、外交紛争にも頻繁に巻き込まれるようになった。9月だけでも人民元問題、南シナ海と東シナ海における一連の領土問題、そして、劉暁波(リウ・シャオボー)氏のノーベル平和賞受賞が挙げられる。これも国が台頭すれば避けられないことだが、一部アナリストの間からは、昨今の数々のトラブルは中国指導層の判断の誤りが原因であるとの声も上がっている。
1997年のアジア金融危機後の10年間、中国はアジア各国と貿易・投資分野での協力関係を積極的に進めてきた。周辺国との良好な関係が中国経済発展の基盤になると考えたからである。だが、ここ数年周辺国との関係は悪化の一途をたどっている。中国の強硬な態度に東南アジア国家の多くは不満を隠せない。日本とも尖閣諸島沖での衝突事件をきっかけに大きな摩擦が生じた。インドともカシミール地方をめぐる紛争を抱え、韓国政府も哨戒艦「天安」の沈没事件以降、北朝鮮を非難しない中国に腹を立てている。
米国はこれに乗じて再び自らのアジアでの立場を強め、南シナ海紛争の調停役も買って出た。ベトナムやシンガポールなども米国に頼り始めている。日本も新政権誕生後は一時、中国との関係強化を望んだが、衝突事件でそんな機運もほとんどなくなった。実は中国も自らが担うべき責任に気付いてはいる。そして現在、中国も国際社会もこの新たな現実に慣れるため、慌ただしく調整しているところだといえよう。(翻訳・編集/NN)
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