中国車の販売台数が激減!数カ月連続ゼロ台、輸入中止に追い込まれたメーカーも―シンガポール

Record China    2010年12月3日(金) 7時30分

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11月30日、シンガポール紙・聯合早報は、車両取得権利証(COE)の値上がりなどが原因で、低価格が魅力だった中国車の販売台数がシンガポールで激減しており、中にはすでに輸入中止に追い込まれたメーカーもあると報じた。写真は10年9月、奇瑞社製の低燃費車。

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2010年11月30日、シンガポール紙・聯合早報は、車両取得権利証(COE)の値上がりなどが原因で、低価格が魅力だった中国車の販売台数がシンガポールで激減しており、中にはすでに輸入中止に追い込まれたメーカーもあると報じた。

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シンガポールには、06年に中国の自主ブランド「奇瑞(Chery)」が初上陸。COEが数年前まで1万シンガポール(SG)ドル(約63万円)程度だったことも手伝って、奇瑞(Chery)を始めとした中国ブランド車が低価格を武器に人気を博し、中国車は7ブランド、17車種以上に増加した。

しかし、今年はCOEが過去10年間で最も高くなっており(中小型車で約4万SGドル=約252万円)、低価格車の購入者層に買い替えや新車購入を見送らせる結果となっている。こうした影響で、今年の中国車の売れ行きは惨憺(さんたん)たる状況を示している。

現地の交通管理局のデータによると、中国車の登録台数は09年は532台、08年は1000台以上だったにもかかわらず、今年は10月まででわずかに181台にすぎない。内訳を見ると、最も売れ行きが良いのは、10月までに135台が登録されている奇瑞(Chery)。吉利(Geely)は25台だが、6月以降は1台も登録されていない。東風と衆泰(Zotye)は多くても毎月1台程度で、ほとんどの月が登録ゼロに終わっている。また、五菱と長安汽車はすでに輸入が中止されているという。

吉利自動車のディーラー「Exklusiv」の郭進維(グオ・ジンウェイ)会長は「中国車の販売価格が3万SGドル(約189万円)だった2〜3年前、日本車は5万SGドル(約315万円)以上しており、価格差が30〜40%あった。しかし現在はCOEの値上がりなどの関係で、日本車との価格差が20%に縮まってしまった」と話す。

自動車雑誌「Torque」の陳発新(チェン・ファーシン)副編集長は「COEが車両の基本価格を超えており、低価格車の購入者層から見ると割に合わなくなっている」と話す。また、中国車を購入する価格で、性能の良い2年落ち程度の中古日本車が購入できることなども影響しているという。

こうした状況は,韓国車でも見られる。現地の販売ランキングで昨年3位だった現代(ヒュンダイ)と4位だった起亜(キア)は、現在はそれぞれ7位と6位に後退している。

一方で、高級車は絶好調の売れ行きを示している。10月までの売れ行きのトップはトヨタ(6170台)、続いてメルセデス・ベンツ(3922台)、BMW(3662台)となっている。

郭会長は「中国車販売に転機が訪れるのは少なくとも1年以上かかるだろう。この間、規模を縮小し、輸入を減らしてしのぐしかない」と語っている。

編集者注:COE(Certificate of Entitlement)は、シンガポールの車両取得権利証。10年を期限とするが、期限の途中で車両を登録抹消した場合は、期間に応じて金額が返還される。(翻訳・編集/HA)

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