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13日、英フィナンシャル・タイムズ(中国語版)のデビッド・ピリング編集長はコラム記事「中国は大きすぎる?」で、中国の規模の大きさが招く利点と弊害について論じた。写真は北京。
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2010年10月13日、英フィナンシャル・タイムズ(中国語版)はデビッド・ピリング編集長のコラム記事「中国は大きすぎる?」を掲載した。以下はその内容。
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多くの時間を費やし、たくさんの資料も閲覧して中国に関して深く考察した結果、1つの結論に達した。それは、中国の最大の特徴は「国が大きすぎる」ということだ。全く目新しい答えでなくて恐縮だが、この規模の大きさこそがこの国の多くの事柄―世界の大口商品市場に対する影響から、人々がこの世界最貧国の1つと世界最強の米国とを同列に論じるようになった事実まで―を読み解くための重要なキーワードになる。
13億の「乗数効果」は中国が行うほぼすべての事柄に尋常でないほどの重要性を持たせた。だが、それがある状況の下では明らかな欠陥となる。例えば人民元問題。実は中国は標準的な経済発展の道を歩んできたに過ぎない。少し前の日本や韓国、台湾と同じように外部需要に依存しながら工業化への道を切り開いてきた。そして、やはり同じように自身の発展に都合よく規則を解釈してきた。
しかし、中国は早々にそれを「発見」されてしまった。ここが彼らと大きく異なる点だ。日本が80年代、米国との間に深刻な貿易摩擦が生じた時、国民の生活レベルは西側をほぼ超えていた。中国も今、米議会を怒らせてしまったが、中国人の平均収入は購買力平価(PPP)を基準にしても米国のわずか7分の1。仮に中国の大きさが今の10分の1だったら、自由に両替できない貨幣のレートに誰がここまで気に留めただろうか。
他にも中国の大きさが不利になっている分野がある。中国は石油、鉄鉱石、ボーキサイト、木材など大口商品に対する需要が非常に高く、市場に大きな影響を及ぼしている。その需要がどれほどのものか。例えば石炭。輸入に頼っている割合はわずか3%だが、これは世界の貿易量の5分の1にあたる。このほか、セメント消費量は世界の約半分、鉄鋼は3分の1、アルミは4分の1といった具合だ。中国の需要を満たすだけの資源をどう調達するのかも切実な問題である。
だが、中国が今日のような経済発展を遂げたのは、規模の大きさがあったからだともいえる。大量の安価な労働力は外国資本と技術を大いに呼び込んだ。その役割を今度は旺盛な購買意欲を持つ消費者も果たすことになる。中国では今、労働力がどんどん都市部へと流れ込んでいるが、彼らはやがて自国製品の消費者となり、中国を日本がいまだに苦しんでいる「輸出依存症」から救い出すことになるだろう。
規模が大きいということは、何をするにも波乱を引き起こすことを意味する。だが、だからこそ中国はどんな荒波でも安全に突き進んでいけるのである。(翻訳・編集/NN)
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